はじめに
夫婦の貯金がすべて家計に使えるとした場合、今後資産はどうなるか
共通口座にある750万円は今後のマイホーム頭金や教育費などに使えるお金と考えられますが、夫の貯金である1,400万円と妻の貯金1,050万円、投資資金1,300万円の総額3,750万円は、すべて家計として使えるお金でしょうか? このことは、ご自身の資産についても、「〇〇万円は家計、△△万円は自分自身の将来に取っておこう」と考えたり、夫にもどこまで家計として使ってよいのかきちんと訊かないとまずいです。
仮に4500万円、全てを使えるとして、万が一妻が復職せずにパート収入レベルになった場合、問題ないでしょうか。都内にお住まいのパワーカップルのご相談ですので、ここでは小学校からお受験を想定してシミュレーションしてみましょう。
小学校から私立に行かせた場合、家計は破綻してしまう
【試算条件】
・手取り月収:37万円(夫30万円〔年1%増〕・妻7万円〔育休修了後も同じとする〕)
・手取りボーナス:年192万円(夫の手取り8割/年1%増)
・マンション購入(2022年購入):物件価格6,600万円・頭金&諸費用2,500万円
・住宅ローン:借入金額4,500万円(30年間・固定金利1.2%・元利均など返済)
・毎月の生活費(お小遣い以外):43万円(年1%増)※ローン返済額は約15万円のため、管理費や修繕積立金を足して住居費を現在と変わらず20万円とする
・年間の臨時支出:100万円
・教育費:小学校受験 5歳・6歳時年100万円 小学校~大学まで私立を想定
資産総額4,500万円のうち、マイホーム購入時に2,500万円を使い、残り2,000万円を1年目末の資産と仮定しています。給料から家計に入れるお金を、夫は年552万円、妻は年84万円として、夫のみ年1%ずつ増やしています。現在の生活費は、お小遣いを除くと月43万円であり、マイホーム購入後も変わらないとし、小学校受験から私立進学、私立大学(文系)までの教育費を足すと、資産総額はなんと21年目に底をついてしまいました。理由は明白。教育費だけで2,500万円以上かかり、受験塾に通う5歳から大学を卒業するまですべての年が赤字だからです。
仮に進路を中学まで公立にすると、約1,000万円教育費が減るため、資産が底をつくことはないですが、他の条件を同じとすると夫60歳となる23年目末の資産は769万円。退職金があれば問題ありませんが、ない場合は少し心もとないかも知れません。
いかがでしょう。すべての資産総額を家計に入れると仮定しても、今の生活レベルのまま今後のシミュレーションをすると、このような結果となりました。