はじめに

転職することが「答え」とは限らない

転職活動は、非常に辛く、厳しい戦いです。最短でも2カ月くらいはかかりますし、人によっては1年~2年かけてもまったく内定が出る気配がない、という場合もあります。

自分は何のために転職をするのか、という「転職の軸」を決めるのは大切なことですが、その理想が高ければ高いほど、「理想と現実のギャップ」に苦しむことになります。

考えてみればわかると思います。例えば、「年収600万円以上稼ぎたい」と強く願っても、自分に「年収600万円」を提示してくれる会社を現実的に見つけられなければ、いつまでも転職はできません。

同様に、「願望」や「理想」だけでは上手くいかないのが転職活動です。この時、主な選択肢としては、(1)条件をある程度妥協して「年収500万円以上ならOK」などとする、(2)転職を一旦は見送って、「年収600万円」のポジションの内定を獲得できるような経験やスキルを長期的に積む、の2つがあります。

どちらが正解かは、わかりません。人それぞれの考え方次第です。

ただ、自分が望んでいた「転職の条件」はなかなか満たせそうにないことを知ったからといって、安易にハードルを下げて妥協した転職をすることが、自分の人生にとって長期的にプラスになるかというと、私は少し疑問です。

待遇などの条件を下げたり、希望の職種を変えたり、「最初は契約社員でもいいから」などと大幅にハードルを下げてしまったら、転職をする意味がありません。

最初に決めた「転職の軸」を大幅に曲げてまで、どこでもいいからと転職するくらいなら、とりあえず今の会社に残った方がよほどマシです。

転職活動が長期化してくると、ついつい妥協して、簡単に内定が出る会社を受けたくなってしまうものですが、そんなことをしても、自分のためにはなりません。

転職活動のゴールは、必ずしも「転職」とは限りません。「転職活動をやめる」のは、「転職活動を始める」よりも、はるかに勇気の要ることですが、時には必要な判断です。

「あきらめる」わけではありません。

長期的な利益を得るために、短期的な利益を捨てるということです。

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