はじめに

NISAで株式投資をする場合の注意点

つみたてNISAでは株式投資ができないので、株を買いたい場合は、選択肢はNISA一択です。つみたてNISAと異なりNISA口座では、一括で株を買うこともできます。しかしNISAは年間120万円までしか投資ができないので、買いたい銘柄を十分買えるのかを考える必要があります。

株の売買単位は100株です。銘柄によってはNISA口座で100株買えず単元未満で購入するケースもでてくるかも知れません。すると株主優待は受けられないので、それを目的としていた方にとってはNISAを選んだことがデメリットになります。また単元未満で株の取引きができる証券会社は限られているので、事前に確認が必要です。

また非課税期間終了後に運用をどうするのか、あらかじめ心づもりが必要です。ロールオーバーも可能ですが、これはその分新規の投資枠を消費してしまうことになりますので、できるだけ投資に回す資金を増やしたいという人には不向きです。ロールオーバーを利用しても最大非課税期間は10年ですし、2028年以降制度が継続するかどうか決まっていない点は注意が必要です。

投資信託ならつみたてNISA

長期で投資信託の積立を行いたいのであれば、使うべき口座はつみたてNISAです。選べる投資信託も、金融庁が定めた基準を満たした投資信託のみとなっているので、安心感があります。

ただし、つみたてNISAをする場合の金融機関選びは慎重に行いましょう。金融庁が認めた投資信託は200本程度ありますが、すべての金融機関で全商品を扱っているわけではありません。選んだ金融機関によっては、扱う本数が少ないところも多く、思っていた商品が買えないという恐れもあります。

つみたてNISAは2018年にスタートして以来、対象投資信託は徐々に増えています。特にインデックス型の投資信託は、信託報酬が引き下げられた商品が加わっています。もちろん投資信託の評価は信託報酬だけでは決められませんが、同じ種類の投資信託で0.4%も信託報酬に開きがあるのは見逃せません。すると、対象投資信託を多数扱っている金融機関の方が、選択肢が豊富で良いのではないでしょうか?

つみたてNISAで購入した投資信託は、できるだけ非課税期間をフルに使って運用を継続するのが理想です。2022年に購入した投資信託は20年保有を続け2041年に売却する、2023年に購入した投資信託はまた20年保有を続け2042年に売却するといったイメージです。

年間投資枠が40万円のつみたてNISAは、フルに活用ならば単純計算だと月3.3万円を積み立てることになります。そうなるとあまりたくさんの銘柄を組み合わせてポートフォリオを組むのは難しいかも知れません。また口座内で投資信託を売買することもできないので、組んだポートフォリオのメンテナンスとしてリバランスを掛けることもできません。すると選ぶべき投資信託は、20年間ほったらかしでも成長が期待できるものと言えます。

上記条件で考えるとつみたてNISAには、単独指数に投資をする投資信託よりも、複数の市場に投資をするバランスファンドの方が使い勝手が良さそうです。例えばいま好況なA市場が20年間変わらず活況とは限りません。でもA、B、C、D市場に投資をするバランスファンドであれば、Aの市場の調子が悪くともB、C、Dが好況であれば値段は落ちにくいでしょう。さらに、A、B、C、Dの投資配分が固定されているものより、状況をみながら投資配分が変更されるものの方がつみたてNISAでは扱いやすいかも知れません。

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