はじめに

年金額を増やす5つの方法

年金が少ないと思ったら、次の5つの方法を取り入れることで、年金額を増やせます。できるものから、取り組みましょう。

年金額を増やす方法1:国民年金保険料の「未納」をなくす

国民年金保険料の未納が1年間あると、もらえる国民年金の金額は約2万円減る計算です。もしも未納にしても、2年以内であれば保険料を支払えます。また、「未納はないはず」という方の意外な盲点が「学生納付特例」。20歳時点で学生の方が国民年金保険料の支払いを猶予してもらえる制度です。仮に猶予されても、10年以内に保険料を納付しないと「未納」になってしまいます。したがって、忘れずに納付しましょう。
すでに2年(10年)経過してしまった…という場合には、60歳から65歳までの間、国民年金に任意加入することで、未納期間を減らせます。

年金額を増やす方法2:国民年金保険料の「免除」「猶予」をなくす

国民年金保険料の支払いが難しい場合、免除・猶予の申請を行うことで、保険料の一部(全部)が免除されたり、保険料の支払いが猶予されたりします。
免除・猶予を受けた場合も、10年以内であれば追納することで、本来の年金を受け取れるようになります。ただ、3年目以降に追納すると経過期間に応じた加算があるので、できれば2年以内に支払うのがおすすめです。

国民年金・厚生年金の増やし方3:60歳を過ぎても長く働く

国民年金に加入できるのは原則60歳までですが、厚生年金には70歳まで加入できます。長く働き続けることで、将来の厚生年金を増やすことができるうえ給料も得られるので、老後のお金を増やすことができます。また、社会とのつながりを持つことで健康面にもプラスの効果が期待できます。

年金額を増やす方法4:年金の繰り下げ受給をする

原則65歳からもらえる年金の受け取り開始時期を遅らせることを年金の繰り下げ受給といいます。年金の繰り下げ受給をすると、65歳以降1か月遅らせるごとに年金額が0.7%ずつ増加。最大で75歳まで繰り下げることで84%も増やせます。

たとえば、年金を月15万円(年180万円)もらえる方が75歳まで繰り下げ受給すると、もらえる年金額は84%増の月27.6万円(年331.2万円)まで増えます。国民年金だけの方でも、満額(年77.8万円)を繰り下げることで70歳時点では42%増の約110.4万円、75歳時点では84%増の約143.1万円が受け取れます。

繰り下げている間の生活費が必要にはなりますが、60歳以降も長く働くことで、比較的年金を繰り下げやすくなります。受け取る金額を増やすとても効果的な方法です。

年金を増やす方法5:iDeCo・つみたてNISAを活用

公的年金の制度が変更になる可能性も、ないとは言えません。それに備えて、自分でもiDeCoやつみたてNISAを活用して老後に備えるといいでしょう。

iDeCoは自分で出した掛金を自分で運用して60歳以降に受け取る制度。掛金を出すことで毎年の所得税や住民税を安くできるうえ、運用益も非課税にできます。さらに、受け取るときにも税金の優遇を受けられます。またつみたてNISAも、金融庁の基準を満たす投資信託にコツコツ積立投資することで、年間40万円までの投資で得られた運用益を非課税にできます。
iDeCoもつみたてNISAも、税金の優遇を受けながら堅実にお金を用意できる制度です。ぜひ活用しましょう。


今後も年金が減ったり、物価が上昇したりすることは十分に考えられます。それだけに、今から年金を増やす方法を取り入れ、実践していくことをおすすめします。

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