はじめに

取得コストだけではないメリット

また、例えば「毎月◯万円ずつドルを買おう」というのは、ただ機械的に買えばいいのでルールとしても守りやすく、実行しやすいというメリットもあります。もちろん、底値を判断して安い時に一気に買う方が利益は大きいですが、それがいつなのか判断するのはプロでもなかなか難しいものです。

足元のような大きな下落局面では、恐怖心にかられたり、長期投資で始めたことを忘れて「パニック売り」をしてしまうことも。そのように、人は合理的ではない行動を取る事があるので、機械的に買えばよく、保有するだけがルールのドルコスト平均法は取り組みやすく、ルールとしても守りやすいのもメリットと言えます。

通常時の購入頻度は、月1から2などで十分と考えます。一方、今年のような値動きの激しい相場では、トータルの金額は変えず少額で週一など、頻度を増して定額で買われてみてはいかがでしょうか。

ドルコスト平均法での投資先

ドルコスト平均法はどのような投資先が考えられるかといいますと、定額で積み立てられるような金融商品を選んでください。

ドルと名前がついていますが、外貨投資に限ったことではなく、上下に変動している相場、ジグザグに動くような相場で力を発揮します。そのため、上がりそうな投資商品を選んで決まった時期に決まった額買うだけです。投資期間全体にずっと上げていたり下げていたりする相場には向いていません。

ポイントは「時間」。長期間投資する方が恩恵を受けられますので、長年上昇しそうなチャートを見つけることが必要です。 

長年上昇…というと米市場を思い付かれる方は多いのではないでしょうか? 米国の代表的な株価指数で米国の株式市場全体に対して約80%の時価総額比率を占めるS&P500の月足チャートを見ると、大きく下落する局面はあるものの、大きな流れでは40年以上右肩上がりであることがわかります。
TradingViewより

この上昇がこれからも続くことを想定するならば、米市場は有力な投資先だと言えます。そこでアメリカ全体に投資できるETF であるVTI:バンガード・トータル・ストック・マーケットETFを簡単に紹介します。

VTIは3,500以上の銘柄を保有し、S&P500指数よりさらに幅広いのが特徴です。アップル・マイクロソフト・アマゾンドットコム・フェイスブック・アルファベット・テスラ・バークシャーハサウェイなど、アメリカを代表する銘柄が組み込まれています。

時価総額ベースでウエイトを算定しており、米国市場の99.5%をカバーできます。20年以上に渡って運用されているETFで、経費率が0.03%と低いのも魅力です。直近配当利回りは1.58%で、配当利回りがあるのも長期投資ではメリットです。VTIの月足チャートを見てみますと右肩上がりで、これからもこうなり続ける保証はありませんが、米国株の上昇が続くのであれば恩恵を受けられるETFといえます。
TradingViewより

つみたてNISAは投資対象商品が限定されているため、VTI へは直接投資ができませんが、つみたてNISAでVTIに投資したいなら、投資信託を通じて間接的にVTIへ投資する商品もあるので、ご自身の口座で取り引き可能な商品があるか、調べてみてくださいね。

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