はじめに

相場の動き=価格変動があるからこそ、トレードは利益を上げることが可能となります。

そこで、為替ディーラー・井口 喜雄( @yoshi_igu )氏の著書『1日で数百億を動かす現役ディーラーが教える 勝者のトレード』(KADOKAWA)より、一部を抜粋・編集してボラティリティについて解説します。


ボラティリティ変動からトレンドを読む

ディーラーとして常に頭の中にあるのはボラティリティのことです。

ボラティリティとは、簡単に言えば「相場に値動きがあるかないかを示す指標」で、価格変動率を意味します。

  • 価格変動が大きい=ボラティリティが高い(ある)
  • 価格変動が小さい=ボラティリティが低い(ない)

といいます。

トレードは相場の動きがあって初めて利益を上げることが可能となるため、ディーラーにとって、このボラティリティは切っても切り離せない存在なのです。

では、私がボラティリティについて最も気にしている点を紹介します。

ボラティリティには大きく分けて2種類あります。

  • (1)過去のデータに基づいて算出される「ヒストリカル・ボラティリティ」
  • (2)将来の変動率を予想する「インプライド・ボラティリティ」

ボラティリティと聞くとオプションをイメージする方も多いと思いますが、オプションで取引されるボラティリティは、インプライド・ボラティリティというもので、将来の変動率をオプショントレーダーが予測したものです。

ここでは過去の実際の値動きをベースに計算した変動率、ヒストリカル・ボラティリティについてお話しします。

ボラティリティとリスクの関係とは

一般的にボラティリティが大きい商品ほど、将来は不確実でリスクが高く、ボラティリティが小さい商品ほど、安定的でリスクが低いと判断されます。

ご存じの方も多いと思いますが、ボラティリティ・インデックス(VIX)というテクニカル指標があります。VIXは市場参加者の感情を反映することから、別名「恐怖指数」とも呼ばれています。

これは米株価指数の値幅変動を基に作成されていて、投資家の心理状態を示すデータとしても広く知られています。ボラティリティが高くなるほど投資家はパニックに陥りやすく、リスクコントロールが難しくなると言われています。

しかし、ボラティリティとリスクは決して同じではありません。ボラティリティをどう扱うか、どう考えるかによっては、むしろプラスに働かせることができす。リスクとの関連性では、ボラティリティ自体に問題があるのではなく、ボラティリティを扱う投資家に問題があります。

ボラティリティを知り、ボラティリティを味方につけることが重要となります。

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