はじめに
生活費は共同で管理。あとは夫婦別財布の家計
まずは家計の状況から確認していきましょう。現在の手取り月収は妻であるご相談者さんが28万円、夫が45万円です。二人合わせると月額73万円になります。ここから生活費の16万円と、貯蓄20万円を共通で管理していて、残りの37万円はお互いの手元に残った金額ずつ各自が管理しています。
・手取り月収:妻28万円+夫45万円=73万円
・共通の生活費:16万円
・共通の貯蓄:20万円
・残:37万円(各自が自由に管理。通信費や服飾費等も含む)
生活費の16万円のうち、賃貸住宅の家賃が10万円、水道光熱費が1万5,000円、食費2万円、日用品や娯楽が2万5,000円です。ここに書かれた数字を見る限り、堅実な印象を受けます。そのため、生活費を支出した残り37万円がすべて個人的支出として使われているとは思えません。ただし、あくまでも憶測なので、個人の貯蓄には触れないでおきましょう。貯蓄については夫婦共通の財産として毎月固定で貯めている20万円を軸に考えていきます。
ボーナスはありませんので、年間貯蓄額は20万円×12カ月=240万円です。
都内の中古マンションを購入したい
都内に購入を希望する中古マンションは、賃貸や転売の可能性を考慮して、東京23区内、駅から徒歩10分以内と立地の良さ重視で考えています。ペット可で広さは40〜50平米程度を希望していますが、リノベーションを予定しているため築年数にはこだわりません。
予算としてご相談者さんが想定しているのは3,000〜3,500万円。近年、不動産価格が高騰していますが、ざっと調べてみたところこの条件を満たす3,500万円以下の物件はありそうです。ただし、購入時にかかる諸費用やリノベーション費用まで含めて考えると、住宅購入の予算は少なくとも4,000万円程度は見ておいた方がいいでしょう。
夫婦の共通の貯蓄は現在340万円ですが、これ以外に投資や個人的な貯蓄等があるため、共通の貯蓄から300万円を住宅購入資金に充てても困ることはないでしょう。残り3,700万円を仮に金利1%で35年ローンを組むと、1カ月あたりの返済額は10万4,445円になります。現在の家賃よりも5,000円高くなります。ご相談者さんは定年退職までに住宅ローンを完済したいというご希望がありますね。それまであと27年ですから、35年ローンを組んだ場合、タイミングを見て8年分繰り上げ返済をすることになります。
ちなみに、同じく3,700万円を金利1%で最初から27年返済のローンにした場合、1カ月あたりの返済額は13万354円になります。途中で繰り上げ返済をする必要性は下がりますが、月々の返済が現在よりも3万円高くなります。