はじめに

リセッションに強いセクター(1)公益事業

まず1つめのセクターは、安定した事業を持っている公益事業セクターです。テーマ型ETFといって偏ったセクターに投資をするETFがあるので、米国の公益事業セクターETFを紹介します。

米国の公益事業セクターETFの代表はバンガード社のバンガード・ユーティリティーズETF(VPU)、ステート・ストリート社の公益事業セレクト・セクター SPDR ファンド(XLU)、ブラックロック社のiシェアーズ米国公益事業ETF(IDU)の3つであるといえます。

大まかにパフォーマンスを比較しても約10年、約5年間でほぼ3つとも似たようなパフォーマンスとなっており、強いて言えばVPUが1番パフォーマンスが良いと言えそうです。とはいえ、どの時点から測定するかで異なっていくような印象ですので、パフォーマンスで選ぶのは難しいかもしれません。


TradingViewより

その他の面で比較すると、IDUは経費率も高めで純資産額も他の2つと比べて小さめです。コスト重視するタイプの投資家である私としては、経費率が最安値のVPUに注目しています。

VPUは、MSCI USインベスタブル・マーケット・ユーティリティーズ指数のパフォーマ ンスに連動する投資成果を目指すETFで、あらゆる時価総額規模の米国電力・ガス会社、水道、独立系発電事業者、再生エネルギー系発電事業など、国民の日常生活に不可欠なインフラサービスを提供する企業に分散投資できる公益事業セクターのETFです。

BloombergによるとVPUの直近配当利回りは、10月20日(木)時点で3.69%となっています。経費率は0.10%です。インフレやウクライナ危機の影響で、エネルギー価格が高止まりすることが予想されるなかヘッジにもなりそうですし、公益事業セクターの底堅さもあるETFなのではないかと感じます。

さて、VPUは時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを算定していますので、投資信託組入れ上位銘柄の値動きの影響が大きいといえます。投資信託組入れ上位銘柄から2銘柄をピックアップして簡単に紹介しましょう。

1番比率の高いネクステラ・エナジー(NEE)は、連続増配25年以上の配当貴族銘柄です。持続可能エネルギーの発電・販売をする公益事業の企業でフロリダに基盤を置いている北米の電力会社です。再生可能エネルギーで世界最大規模を誇り、大規模な再生可能エネルギーに強みがあります。

ベスト3に入っているデューク・エナジー(DUK)は米国最大の電力会社で、ガス事業や再生可能エネルギーも手がけており、電力事業は生活に不可欠で安定感があるうえ連続増配は13年となっており、公共事業関連として個別株としても注目できる銘柄ではないでしょうか。

アメリカだけでなく、世界の公共事業の企業に分散投資をしたいなら、ブラックロック社のiシェアーズ グローバル公益事業ETF(JXI)も選択肢となるのではないでしょうか。JXIは世界各国の公益事業企業に分散投資するETFといえ、連動している指数はS&P Global 1200 Utilities (Sector) Cspped Indexとなっております。米国が投資先の約6割となっていますが、スペインのイベルドローラ(IBE)、イタリアのエネル(ENEL)、イギリスのナショナル・グリッド(NG)など、先進国の公益事業企業も組み込まれています。気になる方は調べてみてくださいね。

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