はじめに

「現場では工事はどのように進めますか?」

リフォームは工事の質で差がつく

分担制で進める会社のほうが安心

リフォーム工事の進め方については、営業から工事管理までを一人が担当する 一気通貫 のやり方と、営業・設計・工事の各部署が 分担制 で進めるやり方があります。

一気通貫はベテランの営業担当者に当たればうまくいく場合があります。しかし、これまでの長い間、建築業界にいる私の経験からいえば、営業担当者が現場監督までを兼務する一気通貫よりも、営業・設計・工事を分けた分担制のほうが、明らかに工事の仕上がりがきれいで、工事もスムーズに終わります。

一気通貫は、小さな工事、たとえば網戸の貼り替えや、風呂釜のみの交換など、比較的単純な工事はよいかもしれません。しかし、一般的なリフォームとなると話は変わってきます。

営業は工事契約をいただくことが本来の仕事です。現場知識の質・量では現場監督や本業の人とは比較になりません。専任の現場監督なら数多くの経験を積み、知識も豊富です。そのため臨機応変に対応できる判断力があり、職人さんの作業効率も上がり、工期や仕上がりにも差が出ることが明白なのです。

分担制では引き継ぎの点で不安に思われるかもしれません。しかし、各部署が打ち合わせをし、引き継ぎした内容を書類にして、最終的に精査した案件しか着工できない仕組みを作ればよいのです。

質の高い工事はそれぞれの専門家に任せる

また、担当者(営業や設計)は工事に入ったらすべてを現場監督に任せっきりにするのではなく、現場確認をする必要があります。つまり、一つの現場を営業・設計・工事の3名が見ることになるので、より質の高いリフォームとなるのです。

質のよいリフォームとはきれいな状態が長く保てることでもあります。手を抜くと、たとえばクロス工事では早くにつなぎ目が割れたり、極端な不陸(凸凹)があったりします。質の高い工事はそれぞれの専門家に任せるほうがよいでしょう。

現場監督の仕事についてはすでに書きましたが、もう一度考えてみてください。職人さんたちへの指示や工事の段取りをスムーズにできるのが現場監督です。

一気通貫では営業した人がそのまま監督をすることになります。案件をたくさん抱えると自分の仕事量が増え、ミスが増えることになりかねないのです。そして細かい納まり(工事の仕上げ方)等はすべて職人さん任せになってしまう恐れがあります。まして、新築より難しい現場を営業担当者がタイムリーに指示することは不可能です。

誰でもきれいにきちんとした仕上がりを期待します。そのために人手はかかりますが、現場監督が担当することで、より満足のいくリフォームができるのです。

また、そのほうが現場では職人さんたちとのコミュニケーションもうまくいってよい仕上がりになっていきます。

多くの現場や細かい納まり(工事の仕上げ方)を見てきた現場監督こそが、生命線であるといわざるを得ません。

現場監督はそれほど重要な役割を担っています。

工場は現場監督にバトンタッチ!
営業と現場監督を兼任しているとどうしても工事の仕上がりの質が落ちてしまいます。「餅は餅屋に」が鉄則!
イラスト/上條夕子

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