はじめに

S&P 500の魅力

投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が、奥様への遺言として「私が死んだら1割は米国短期国債に、残り9割はS&P 500に連動するインデックスファンドに投資しなさい」と運用アドバイスを残したというのは有名なエピソードでしょう。

バフェット氏の戦略としては10%の現金で米国短期債を買い、残りをすべてS&P500をベンチマークとする低コストのインデックスファンドへ投資するものですが、バフェット氏に資産の9割を投資しても問題ないと思わせるほど、魅力のある指数と判断されていると言えます。

私が生まれた1982年から2022年現在までの約40年でみてみますと、米国市場は1987年のブラックマンデーや2000年代初期のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、そしてコロナショックなどの金融ショックで一時的な下落はあったものの、それを乗り越えて長期では右肩上がりで成長し続けています。S&P 500も同様に、長期で見るとチャートは右肩上がりです。

それでは今後も成長し続けるのかと聞かれると、投資なので未来は誰にもわかりません。すでに現在、リセッションや金融危機の懸念がありますし、10年ほど米国経済が低迷し続ける可能性もありえないとは言えません。

ただ、現在はドルが世界の基軸通貨であり、政治や軍事的にもアメリカが覇権国であるといえます。またイノベーション(技術革新)を起こす企業を数多く生み出したアメリカの歴史を考えると、米国経済は強いと個人的には考えますし、S&P 500はその米国のなかで選ばれた企業の指数であることは投資の優位性と言えるのではないでしょうか。

また日本に住み、日本円で資産を保有する私たちにとっては円安のヘッジにもなるかと考えます。円安への資産防衛の手段として有効なのはドル建て資産を保有することで、その選択肢にS&P 500はなると考えます。

投資初心者の方でも少額から始めやすい投資として活用できることもS&P 500の魅力です。米国株は1株単位から投資ができるので、少額から投資できるのも魅力です。ただ、そうはいっても個人の資産で500株買うのはかなり難しいので、安く分散投資できるのはS&P 500に連動する投資商品の魅力でしょう。投資信託では100円から投資が可能です。

加えて、S&P 500に連動する投資信託やETFは比較的低コストなものが多く、初心者でも比較的リスクを抑えて長期投資ができるなど運用が行いやすいというメリットもあるのではないでしょうか。

S&P 500指数構成銘柄トップ10

もう1つ、S&P500の魅力として構成銘柄には世界的にトップレベルの企業が多いことも挙げられます。

時価総額加重平均であるS&P 500指数は時価総額の大きい銘柄の動きに影響されやすい指数といえるので、構成する割合の多い上位10銘柄は覚えておいてください。2022年11月3日(木)時点の上位10銘柄は以下の通りです。

(1)Apple Inc.【AAPL】
(2)Microsoft Corporation【MSFT】
(3)Amazon.com, Inc.【AMZN】
(4)Tesla, Inc.【TSLA】
(5)Alphabet Inc. A【GOOGL】
(6)Berkshire Hathaway Inc. Class B【BRK.B】
(7)Unitedhealth Group Inc.【UNH】
(8)Alphabet Inc. C【GOOG】
(9)Exxon Mobil Corporation【XOM】
(10)Johnson & Johnson【JNJ】

上位10銘柄だけでも、世界の名だたる企業がそろっていますね。業種では情報技術が26.3%、ヘルスケア15.3%、ファイナンシャルが11.4%となっています。

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