はじめに

S&P 500の注意点

S&P 500の魅力をお伝えしてきましたが、注意点としては異次元金融緩和からの経済正常化、早期利上げやリセッションで米国経済や株式市場がこのまま下落していくのではという懸念ではないでしょうか。足元での反発もベアマーケットラリー(下落局面での一時的な上昇)と見ている方が多いようです。

ゴールドマン・サックス・グループによると、S&P 500種指数は過去との比較や金利を考慮した場合にはなお割高だが、米国株に魅力的な投資機会が見いだされつつある、と報じられています。短期的に見ると「ハロウィンに株を買え」や「年末ラリー」という格言があるように、統計的には年末にかけて上昇に優位性がありそうですが、ではいま買えば利益になるかという判断は常に難しいと言えるでしょう。

ただ少額ずつ長期的に積み立てていくのをS&P 500で検討するというのであれば、早く始めるほど福利の効果も期待できるので悪いタイミングではないかもしれません。まずは投資信託で100円から……というように、ハードルを低く設定して、とにかく始めてみるというのはいかがでしょうか。つみたてNISAやiDeCoも活用していただくと、税制メリットがあるのでより良いと思います。

10月31日週「相場の値動き」おさらい

11月4日(金)の日経平均株価は、前営業日比463円65銭安の2万7,199円74銭と続落。先週末10月28日(金)の日経平均株価は2万7,105円20銭でしたので、週間では94円54銭の上昇となりました。

今週注目された11月FOMCでは、FRBは4会合連続となるトリプル利上げ(0.75%の利上げ)を決定しました。

パウエルFRB議長の会見では、最終的な金利水準は従来の想定よりも高くなったとしているものの、利上げ減速の時期が早ければ次回会合となる可能性を示唆(ハト派的スタンス)したものの、いずれかの時点で利上げ幅を縮小することが適切との発言から12月も0.75%の利上げである可能性があることや、政策金利の最終的な水準は従来の予想より高くなるとの見通しを示したことで、タカ派的な姿勢を維持する姿勢から米市場は下落。パウエル氏の発言で相場は右往左往させられた印象です。

週末の日経平均も下落しています。12月FOMCの利上げ幅が注目されるなかで、雇用統計の結果を受けて12月FOMCの利上げ見通しがどう変化しているのか(私はCMEの FedWatchというツールを見ています)、週明けの日本市場の値動きもチェックしていきましょう!

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