はじめに

日本銀行の総裁人事は重要

金融政策は日本銀行が決定しますから、今後の金利動向を考える上で日本銀行の考え方、現在の経済の見方、将来の見通しなどは非常に重要です。その観点からすると、4月8日に任期満了となる黒田総裁の後任人事は非常に重要です。2期10年にわたり大幅な金融緩和を維持してきたのが黒田総裁ですが、その間に景気が十分に回復しなかったと見る人や、前述の通り日本国内でもインフレになってきていると考える人が増えており、後任人事は金融緩和余地も金融引き締めに前向きな、いわゆるタカ派の人事になる可能性もあります。

住宅ローンの返済負担が増えるという観点からだけでなく、日本経済の現況が果たして金融緩和を解除し、さらには利上げという方向に進むべきなのかを改めて考えた際に、そうではないにもかかわらず引き締め方向に進むのであれば、日本経済自体は弱体化していくでしょうし、世界的なインフレもピークアウト傾向にある中で、他国の金利上昇ペースが鈍化し、さらには利下げ方向へと転換していくなかで、日銀だけが引き締め方向に動けば、今度は為替も円高圧力が高まるでしょう。

このように考えれば、今度の総裁人事はローン金利だけでなく、株や為替にも大きな影響を与えるため、住宅ローンを組んでいないとしても個人投資家には非常に重要なものとなります。

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