はじめに
積立投資で市場の波を乗り越える
塚本:続いて、「積立」についてお話しましょう。株式や投資信託など価格が上がったり下がったりする商品は、一括で投資しようとすると下がったタイミングを探そうとして、なかなか投資できません。でも、コツコツと定期的に「決まった金額」を投資する積立投資なら、投資額が順調に積みあがっていきます。
有野:決まった金額じゃないとダメなんですか?
塚本:「安い時に買って高い時に売る」ことができれば、もっと大きな利益を得られますが、価格の底値や天井を見極めるのはプロでも至難の業。同じ金額の積立を続けることで、価格が安い時にはたくさん買えて、価格が高い時には少し買うことになるので、市場の動きに合わせて購入していることになります。市場の波を乗り越えることにつながりますね。
塚本:このように、時間を分散して積立をしていく手法を「ドルコスト平均法」と呼ばれているのですが、この手法は長期の資産運用において大変効果的です。
酒井:ドルコスト平均法……単語だけ聞くと難しそうですね。
有野:動物園に居てそうな名前やな……頭のこぶが非常に発達して噛む力が強いドルコストゴリラです。ドルコストチンパンジーは暖かい国からやってきました。あと、ドルコスト何かな?
酒井:ドルコストに合う動物大喜利やめてください! ドルコスト平均法ですよ。
有野:わかりますよ。簡単に言うと、推しのアイドルが居て、推しのグッズを買うとしたら、お金を1年貯めて生誕祭の時に12万円分買うよりも、毎月決まった額の1万円分買う方がいいって考えでしょ。だって、生誕祭グッズは誕生日月が過ぎたら値引きされるから、たくさんのグッズが手元に来る。人気がない時はたくさん手に入るから、額を平均にして買ったほうが手元に多く残る、って事でしょ? ね、「アイドリング!!!」14号の酒井さん。
酒井:う〜ん、先生合ってますか?
塚本:ちょっと、推し活のことはわかりませんが(笑) 手元に多く残る、という意味では間違えてないと思います。最後の「分散」については、1つの金融商品だけに集中して投資せず、価格の動きが連動していない複数の商品に投資する「資産の分散」、違う地域や複数の通貨に投資する「地域の分散」という“2つの分散”を心がけると、より値動きをおさえることができますよ。
酒井:あれ? 「全世界株式型」では、全世界の株式に投資するんですよね?
有野:ほんまや。じゃあ全世界株式型の投資信託を選べば、「地域の分散」はできてるってことですか、先生?
塚本:おっしゃる通り、投資信託には複数の金融資産や地域への分散投資をファンド1本で可能にするというメリットがあります。もう1つ、資産を日本円だけで保有していると、日本に何か悪いことが起きた場合のダメージが大きくなるので、資産を米ドルなどの日本円以外の通貨に分散しておくことも大切です。
有野:おっしゃる通り!
酒井:なんで有野さんがそれ言うんですか!
有野:いっぺん言うてみたかった。ってことは先生、投資信託は1本で2度おいしいわけですか。それにしても、3つのポイントに2つの分散、全部で5個も覚えんとあかんわけか~、厳しいなぁ。
酒井:格闘ゲームとかホラーゲームのほうが、ボタン操作とか技のコマンドとか、よっぽど覚えたりすることが多いですし、5個くらい楽勝ですよ!
有野:分かりやすい、楽勝やな! 5個って事はスーパーファミコンのABXYボタンに人差し指のLRボタンより少ないな。いや、それ難しいわ……学級委員長的にというか、課長はファミコンのABボタンが限界やねん。だから、2個におさえさせて欲しいです。なので、僕は「分散」と「ドルコストゴリラ」の2本柱にします。
酒井:全然分かってない(笑)