はじめに
コツコツと投資を続けながら知識と経験を身に着ける
塚本:ここまで資産運用の必要性とやり方について駆け足でお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
有野:100%理解できたとは言えませんが、51歳でも遅くはなくて、早く投資を始めた方がいい、ということはわかりました。
酒井:私も、有野さんと同じ気持ちです。ゆっくりしている時間はないんだなって。
塚本:資産運用は「将来」の生活に向けた備えですから、慌てて始める必要はありません。ただ、現在はNISA(小額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)のような投資の優遇制度がありますから、始めやすい環境が整っているのは事実。なので、小額でもいいから、まずは始めてみることです。実際に始めるといろいろ気にかかるようになって、情報を集めたり、勉強しようという気になったりしますから。
酒井:NISAは前の授業で教わりましたし、とりあえず口座は開設しました!
有野:おぉ、進んだな! まだ投資のプロの顔とか、わかってないところも多いですけど、とりあえず投資信託を少しだけ買ってみました。
酒井:えっ、そうなんですか? 聞いてないんですけど!
有野:なんで酒井ちゃんに全部言わなあかんねん(笑)
酒井:何を買ったかだけこっそり教えてくださいよ。
有野:嫌です(笑) だいたい自分の大事なお金なんやから、ちゃんと自分で決めなあかんで……お、なんかちょっと、学級委員っぽくない?
塚本:有野さんのおっしゃる通りですね。投資はあくまで自己責任。他人の言うままに投資をして、損をしてしまったら納得できないでしょう? 自分で金融商品の特徴やメリットを知って、リスクとリターンのバランスを考慮しながら、コツコツと投資を続けつつ、知識や経験を積み重ねていくのがいいと思います。
酒井:そうですね……よし、ノートを読み直して復習して、何に投資するかしっかり考えます!
有野:僕も芸人の売れる7ヵ条、頑張って探します!
酒井:まだ言ってたんですか(笑)
塚本:さて、今回で私の授業は終了です。これからも資産運用について、ぜひ勉強を続けてくださいね。
有野・酒井:ありがとうございました!
3月からは、ファイナンシャルプランナーの岩城みずほ( @mizuho_iwaki )先生をお迎えし、「家計改善のコツ」を聞いていきます。
2時間目:よゐこ有野が嘆く【宝くじ】が当たらない理由「そんなに持ってかれてたんや」
3時間目:よゐこ有野「株主優待を狙おうと…」金融のプロが指摘する問題点とは?
4時間目:よゐこ有野、金融のプロが明かす資産形成のコツにショック「早く始めておけば…」
有野晋哉
1972年2月25日生まれ。大阪府出身。テレビやラジオ、CM、雑誌の連載などマルチに活躍。コンビで公式YouTube「よゐこチャンネル」も開設しており、幅広い世代から支持を得ている。自身が50歳を迎えた2022年に、お金にまつわる知識の大切さに目覚め、日々勉強中。
酒井瞳
1989年5月3日生まれ。宮崎県出身。2008年4月に女性アイドルグループ「アイドリング!!!」に14号として加入し、2015年10月に卒業。その後は地元・宮崎県に関わる活動や、テレビやドラマ、YouTubeなど活動の幅を広げている。2022年2月よりジムでパーソナルトレーナーを開始。また、同年に故郷の宮崎県延岡観光大使に就任。 アイドル専用ジム「iウェルネス」ではトレーナーとしても活動している。
塚本俊太郎
金融教育家、日本CFA協会執行理事。1994年、慶應義塾大学総合政策学部卒、97年に米国シラキュース大学大学院国際関係論修士。同年、UBS信託銀行に入行し、債券運用部ファンドマネジャーを務める。02年以降、メリルリンチ・インベストメント・マネジャーズ(現ブラックロック・ジャパン)、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントなど外資系運用会社にてストラテジストや投資戦略部長などを歴任。20年、金融庁に入庁し、金融教育担当として高校・大学・社会人向けに授業を行う。高校家庭科での金融経済教育指導教材や、小学生向け「うんこお金ドリル」の作成を担当。現在はフリーランスの金融教育家として金融リテラシーや資産形成について発信・寄稿・講演を行う。また、金融教育プログラム構築に関するコンサルティングも実施している。Eテレ「趣味どきっ!」に3月1日(水)21:30から「金育」をテーマに4週に渡り出演。著書『今日から楽しむ“金育” 』(NHK出版)が2月22日(水)発売。
ライター:新井奈央 / 写真:文化工房