はじめに
3つの注意点
注意点としては、3つです。まず、今の生活がお母様とお二人の生活なので、ゆくゆくは一人で生活すると考えた時に、実際に生活費としてどれくらい必要なのかは整理しておく必要があります。もし現状お母様が負担されている部分があり、今よりも生活費が上がる可能性があるのであれば、それを考慮しなければいけません。また、ご自身の介護だけでなく、今後のお母様の介護で費用負担が必要となる可能性もあります。今のうちにお母様の資産状況についても確認しておきましょう。
次に、老後の生活が問題なく準備できるのは、あくまで65歳まで健康で働いて貯蓄が継続できた場合ですので、途中で病気等で収入が得られなくなる、もしくは減少するなどに備えておく必要もあります。現在加入されている保険が適正なのかをチェックしておきましょう。
最後に、現在の貯蓄方法です。ご相談者は、変額個人年金と自社株と、将来変動する可能性がある方法で準備をされています。特に、自社株の比率が高いのは気になるところです。自社株は、奨励金が出るなどのメリットがありますが、一方で、会社への依存度が高まるため、業績が好調であれば良いですが、もし企業の業績が悪化すると、給与も金融資産も双方とも下がってしまう可能性があります。リスクを分散するという観点からは、自社株比率が高すぎるのは避けた方が良いかもしれません。
将来に対して不安を抱えるのは、見通しが見えないことから来ると考えられます。今回のように、一定の仮定のもとシミュレーションをするだけで、将来の生活の見通しができ、安心に繋がります。ただ、シミュレーションするだけでは、何も変わりません。対策が必要であれば、ぜひできることから行動に移して、理想の生活に近づきましょう。
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