たった1日で25%下落、急転直下の「原油価格」はこの先どう動く?
ロシアとOPECの対立が表面化
WTI原油先物は3月9日、一時1バレル=30ドル割れへと急落。約4年ぶり安値をつけました。3月6日に石油輸出国機構(OPEC)がロシアと追加減産協議で決裂し、サウジアラビアが増産姿勢に転じると報じられたことが主因です。新型コロナウイルスによる世界の原油需要の減少懸念もくすぶっています。「経済の血液」ともいわれる原油の価格は、経済の動向も大きく左右します。この先、原油相場はどのように動くのでしょうか。
“日銀砲”で日経平均は6日ぶり反発、押し目買いチャンスが接近か
株価の下げ止まりを探る最善策は?
新型肺炎の感染拡大とそれに伴う景気悪化への懸念から、2月最終週の世界の株式市場は大きく動揺しました。週初(2月24日)の米国市場でNYダウが1,000ドル超の下げを記録すると、日本をはじめとした世界の株式市場にネガティブな反応が伝播しました。NYダウはこの1週間だけで3,500ドル以上値下がりし、週末には2万5,000ドル台を付けました。前週には2万9,348ドルの最高値を付けていたことを考えると、マーケットの景色は一変した格好です。日本でも、日経平均株価が4営業日すべてで下落し、下げ幅は2,000円超に達しました。その結果、週末の終値は2万1,000円台に沈み、昨年9月以来の水準まで落ち込みました。
新型コロナ感染拡大でも“円高ドル安が進まない”円売り圧力の正体
ドル円相場の定石に潜む落とし穴
将棋や囲碁の世界では「定石(定跡)」と呼ばれるものがあります。おそらく定石をマスターしなければ強くなれないでしょうが、それにとらわれていると落とし穴にはまることもありえます。そのさじ加減が難しいのは為替市場、とりわけドル円相場も同じかもしれません。何しろ、足元の相場の動きは定石とは真逆のものになっているのですから。
新型肺炎vs米国経済、金融市場の趨勢を左右するのはどちらか
カギを握る米民主党の大統領候補選び
新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。2月10日の中国国家衛生健康委員会の発表によると、確認された新型ウイルス感染症例が累計で3万5,982件になり、死者は908人に達し、6,484人が重症だといいます。これは、2002~2003年に蔓延したSARSの死者数を超える数字です。世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長も「中国渡航歴のない人々からの新型ウイルス拡大を懸念している」と指摘。今後さらに感染が拡大し、死者も増えていく可能性があります。一方で、米国経済は依然として力強さを維持しています。2月7日に発表された1月の非農業部門就業者数は、市場予想の前月比+16.5万人よりもかなり強い内容(同+22.5万人)となりました。前月・前々月分も、わずかですが上方修正されました。米中という2つの大国で好悪両材料が入り混じる、足元の世界情勢。この先の金融市場にどのような影響を及ぼしうるのか、考えてみます。
「新型肺炎」拡大で日経平均2万3000円割れ、株式市場の混乱はいつ収束?
日・米・欧・中、4地域の値動きを探る
新型肺炎の感染拡大への懸念から、グローバルの株式市場ではリスクオフの動きが強まっています。米国ではNYダウが1月17日に付けた高値から2週間で1,000ドル以上値下がりし、日本も同じ期間で日経平均株価は1,000円ほど下落しました。さらに震源地の中国では、春節休暇空けの2月3日の取引で上海総合株価指数が9%近く下落して始まり、市場参加者のリスク回避姿勢が鮮明になっています。世界の主要株式市場では、年初の中東情勢の混乱を乗り越え、株価は順調に値を戻していましたが、急ピッチな株価上昇に警戒感が出始める中での悪材料の出現により、株式市場では利益確定の売却行動が促された形です。当面は感染拡大のペースと経済的なダメージの広がりを見極めながらの、慎重な投資行動が求められそうです。
SARS当時の値動きから考える、「新型肺炎」の株式市場への影響度
2003年に株価はどう動いた?
中国の湖北省武漢市で2019年12月8日に発生した新型コロナウイルスによる肺炎が、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)のように感染が広がるのではないか――。そうした懸念から、香港をはじめとするアジア株式市場は1月21日以降、大きく値を下げました。新型肺炎による死者は80人、患者数は2,700人を超えました(1月26日時点)。これに対し、習近平指導部は政策総動員で感染拡大を封じ込める構えです。中国の春節休暇(1月24~30日)に入る前日、政府は武漢市(人口約1,100万人)の交通遮断を決定。中国旅行者協会は1月24~25日に、国内と海外への団体旅行の中止を発表しました。さらに27日、春節休暇を2月2日まで延長することを決定し、感染の拡大を抑制していく姿勢です。
ドル円相場は110円台に突入、1月の「円高アノマリー」は今年も発現するか
過去3年は円高が急進
為替市場では、例年1月は円高ドル安に振れる傾向があることが知られています。この理由については、米国企業のレパトリ(国外資金の国内への還流)に伴うドル買いが年末で一巡し、需給的にドル買い圧力が弱まることなどが指摘されています。ただし、これだけだと説得力に欠ける印象です。過去の為替市場が実際にどう動いたのか、振り返ってみたいと思います。
大発会は400円超の大幅安、それでも「株高の2020年」が期待できるワケ
中東緊迫で年始相場に冷や水
12月のグローバル株式市場では、米中貿易協議の「第1段階」の合意を好感して、株価が軒並み上昇しました。米国ではNYダウ、S&P500、ナスダック総合指数が過去最高値を更新し、日本でも日経平均株価が2018年10月以来となる2万4,000円台を一時回復するに至りました。ただ年明けの株式市場では、こうしたリスクオン・ムードが一転。中東情勢の緊迫化により日経平均は昨年末比で451円安という大幅な調整を強いられるなど、波乱の幕開けとなっています。当面は事態の行方を見守るべく、投資家の様子見姿勢が続きそうです。
2020年は「エドテック」元年?教育デジタル化の有望銘柄を探す
相場格言「国策に売りなし」に乗ってみる
デジタル化は今や世界的な潮流であり、さまざまな国や企業が取り組みを加速させています。日本の成長戦略でも「デジタル化」は重要なキーワードです。2020年は日本の教育業界にもデジタル化の大波が押し寄せようとしています。新しい時代を生きる子供たちに、どのような能力が必要とされるでしょうか。
ドル円相場の「値幅」がどんどん小動きに、2020年はどうなる?
110円を挟んだ攻防が常態化か
ここ数年、ドル円相場の値幅は徐々に狭くなっています。来年はこうした傾向に変化が見られるのでしょうか。金利とその他の要因から検証してみたいと思います。
11月雇用統計を無事通過、それでも消えない「ドル円相場」の不安材料
失業率は約50年ぶりの低水準
12月6日に発表された11月分の米国非農業部門就業者数(NFP)は、市場予想の前月比+18.0万人よりもかなり強い内容の+26.6万人となりました。前月・前々月の上方修正も併せて4.1万人あり、極めて強い米雇用市場であることが証明されました。家計調査の米失業率も9月に並んで、約50年ぶりの低水準となる3.5%で、ほぼ完全雇用の状況と表現しても過言ではありません。
「12月相場」は投資家にとって天国か地獄か、世界の株式市場を総点検
11月の株高トレンドは続く?
11月の世界の株式市場では、米中貿易協議の「第1段階」の合意に対する期待の高まりで、株価は軒並み上昇しました。米国ではNYダウ、S&P500、ナスダック総合指数がそろって過去最高値を更新。日本でも、日経平均株価が昨秋以来となる2万3,000円台を回復しました。さらに、欧州では独DAX指数が最高値まで2%程度のところまで接近し、仏CAC40指数も12年ぶりの高値水準まで上昇しました。米中貿易問題の決着(一時休戦)は、それだけ世界経済を好転させうる材料として市場に受け止められているもようです。昨年の同時期とはまったく異なる景色が広がるグローバルの株式市場では、高揚感に包まれたまま年末を迎える公算が強まっています。
「2020年の投資先」としてベトナムが注目に値する3つの理由
“漁夫の利”だけじゃない投資妙味
米中間で貿易協議が続いていますが、2018年7月の第1弾の関税発動から1年以上が経ち、その影響は顕在化しています。米国は中国からの輸入を減らす一方、ベトナムや台湾などからの輸入を増やしています。ベトナムから米国への輸出は今年1~10月に前年同期比+28%と増加し、米国は全体の約23%を占める最大の輸出相手国に躍り出ました。また、同国の実質GDP(国内総生産)成長率は2019年7~9月期に同+7.3%へ加速しました。世界全体の景気が米中摩擦の影響で停滞気味な状況において、その健闘ぶりがうかがわれます。まさに「漁夫の利」を得た格好で、ベトナムは2020年の注目市場の1つと言っても過言ではないでしょう。しかし、注目の理由は「漁夫の利」だけではありません。
大統領選がリスクオン相場を誘発?「2020年のドル円相場」はどうなるのか
来年の想定シナリオは円高?円安?
残り1ヵ月半となった2019年を振り返ると、金融市場のキーワードは「不確実性」だったと言えそうです。英国のEU(欧州連合)離脱をめぐる混乱もさることながら、やはり大きな関心を集めたのは米中貿易摩擦の成り行き。米中両国が対立と融和を繰り返しつつ、結局、問題の解決は先送りされてきました。両首脳が一時休戦で合意した後も、ドナルド・トランプ米大統領が中国製品に対する関税引き上げを発表し、市場の失望を誘ったこともありました。それでは、このような「不確実性」の時代は2020年も続くのでしょうか。鬼が笑わない程度に、足元の政治・経済情勢からドル円相場の先行きを見通してみます。
株式相場は「年末ラリー」に突入?日本株も流れに乗れるか
足元の世界株高の“寿命”を探る
11月に入ってからの世界の株式市場では、リスクオン・ムードの高まりとともに、良好な相場の地合いが実現しています。とりわけ米国では、NYダウ平均とS&P500、さらにナスダック総合指数がそろって最高値を更新するなど、好調そのものです。年末にかけて株高になりやすい傾向を指して「年末ラリー」と呼びますが、世界の株式市場はこのまま年末ラリーに突入するのでしょうか。そして、その流れは日本株市場にもやって来るのでしょうか。
年率20%成長、「中華フィンテック」爆発的成長の深層
市場規模470兆円予測も
日本では10月の消費税率引き上げとともに「キャッシュレス」キャンペーンが広がっていますが、中国ではモバイル決済はすでに生活になくてはならないものになっています。筆者が5月に中国(北京、上海、杭州)で現地視察をした際、レストランやタクシーの支払いから、スーパーでの買い物、シェアバイクのデポジットまで、あらゆるものが“電子決済のみ”受け付けられ、現金だけでは生活ができないといわれるほどに普及していました。中国ではインターネット金融が高速度で発展していますが、その中でも「フィンテック(FinTech)」が注目されます。金融サービスに情報通信技術を応用することで、送金や決済、貸付業務、投資アドバイスなどの合理化・効率化が進み、これまではなかった金融サービスを提供できるようになってきました。
ドル円相場の値動きは3年前の3分の1、値幅はなぜ狭くなった?
今後の為替相場はどう動くのか
金融市場の一部では「年々、ドル円相場の値幅が狭くなってきている」という嘆きの声が聞かれます。一昨年のドル円の取引レンジは11円強(118円60銭~107円32銭)で、昨年は10円弱(114円55銭~104円56銭)でした。今年は、ここまでドルの高値が112円40銭(4月24日)、安値が104円46銭(8月26日)であり、取引レンジはわずか7円94銭にとどまっています。2016年は年間のレンジが22円67銭(121円69銭~99円02銭)だったことを踏まえると、年々値幅が狭くなっているのは確かです。今年は年初に「フラッシュ・クラッシュ」と呼ばれる瞬間的に円が急騰する事象があり、波乱のスタートとなりました。また、前年まで利上げを続けていた米連邦準備制度理事会(FRB)が一転して利下げを行うなど、金融政策の大転換があったことに照らすと、円高リスクはここ数年に比べて高いと考えるのが普通でしょう。それにも関わらず、ここまで円の高値は昨年とほぼ同水準にとどまっており、円高期待は空振りという印象です。ここまでドル円相場のレンジが狭くなっている、ないしは円高に振れにくくなっているのは、なぜなのでしょう
ドル円相場はどう動く?9月「雇用統計」に潜む、2つの“台風の目”
ひとまず無難に通過だが…
10月4日に発表された米国の9月非農業部門就業者数(NFP)は、市場予想よりも弱い内容となりました。発表直後の為替相場の反応はドル売りでしたが、8月分の上方修正を加味すると、さして気にする内容ではないと思われます。それよりも市場を驚かせた数値が、今回の雇用統計には2つありました。この2つのサプライズは今後の金融市場にどのような影響を与える可能性があるのか、そして、ひとまずサプライズを消化した形の金融市場が今後どのようなシナリオをたどりそうなのか、考えてみます。