株高でも動かない「ドル円相場」、その決定要因は何なのか
リスクオン・オフは過去の遺物?
年初にこそ一波乱があったドル円相場。しかし、このところは1ドル=110~112円のレンジで膠着状態が続いています。いったいなぜ、ここまで値動きが乏しくなっているのでしょうか。その背景と、今後の見通しについて考えてみたいと思います。
4月中旬がドル円相場の「押し目買いチャンス」である理由
市場のノイズを投資に生かす
4月5日に発表された米国の3月雇用統計は、非農業部門就業者数(NFP)が前月比+19.6万人と、市場予想の中央値である同+17.7万人に対して強めの内容となりました。しかし、平均時給が同+0.1%(予想:同+0.3%)、前年比+3.2%(予想:同+3.4%)となったことで、米金利が低下した結果、ドル円相場は小動きでした。これまでに発表されていた中国の3月製造業購買担当者指数(PMI)の改善と、米中通商交渉に対する楽観的な見通しを受けて、巷に流行していた2019年のネガティブ見通しはフェードアウトしつつあります。前回記事「弱い米2月雇用統計でも、今が押し目買いのチャンスなワケ」で筆者が触れた「ドル円は押し目買いのチャンス」というスタンスは継続すべきと判断しています。
新元号ご祝儀相場で303円高、日本株はどこまで持ち直す?
グローバル比較で出遅れ目立つが…
年明けから堅調な株価推移を続けてきた世界の株式市場は、足元では上昇が一服傾向にあります。グローバルの株式市場を牽引してきた米国株も、バリュエーション(予想PER)の切り上げに頼った株価上昇には限界があるもようで、値動きは落ち着いた状態にあります。今後の展開としては、米中貿易問題の決着と、1~3月期決算の発表シーズン(4月中旬から5月上旬)における業績見通しの改善が、さらなる株価上昇のカギを握ることになりそうです。それまで米国株はしばしの充電期間を経る可能性があり、その他の市場も米国株見合いで方向感のない相場展開となることが予想されます。英国ではEU離脱の方針をめぐり、依然として議会が混迷を続けています。もはや、「合意なき離脱」か「長期の離脱期限の延期」かの二択とも言われており、予断を許さない状況に変わりありません。それでも、「合意なき離脱」は回避されると見る向きが大勢ですが、英国・欧州株に対する投資家の慎重姿勢は継続すると考えられます。3月に著しい株高を実現させた中国株についても、政府による景気下支え策への期待を先取りした側面が強いことから、目先は利益確定の売りに押される展開もイメージ
“化粧品業界”への投資が中長期の資産形成に向いているワケ
不確実な中で確実性の高さに注目
将来の資産形成を考える場合、株式は1つの重要な運用ツールであり、中長期を見据えて成長の見込める銘柄に着目するのが投資の王道です。とはいえ、10年後、20年後、30年後を予測し、技術革新の先端を行く企業や業種を予測することは困難です。中長期を見通すことが難しい点も、株式投資をためらってしまう1つの理由かもしれません。しかし、変化が激しい世の中でありながらも、当初の予想から方向性がそれほどぶれることなく、見通せるデータがあります。それは人口データです。人口予測のように、ある程度見通すことができる将来像をもとに、手堅く中長期投資を行うのも1つの方法でしょう。今回は、今後世界的に人口が増加するという人口予測に基づき、これから着実な成長が期待できる業界についてご紹介したいと思います。
もはや円は買われない?衝撃的な額が示す円安圧力の強さとは
金利差ではなく実需の影響力
ドル円相場と日米金利差の相関が高いことはよく知られていますが、このところ必ずしもそうとは言えません。日米金利差とは関係なく、ドルが底堅い印象です。逆に言えば、円が買われにくくなっているということです。その理由を探ってみたいと思います。
弱い米2月雇用統計でも、今が押し目買いのチャンスなワケ
近視眼的見通しに惑わされるな
3月8日に発表された米2月雇用統計は、非農業部門就業者数(以下、NFP)が予想中心値前月比+18万人に対し同+2万人と、極めて弱い内容となりました。市場には2019年の見通しについてネガティブな予想が広まっていますが、筆者はここが押し目買いのチャンスと考えています。それはなぜなのか、理由をご説明しましょう。
米中協議決着前夜、グローバル株式市場で出遅れているのはどこ?
各国市場を徹底分析
グローバルの株式市場では、悲観からの揺り戻しが続き、足元にかけて堅調な展開を見せています。1月の連邦公開市場委員会(FOMC)における当面の利上げ見送り決定や、米中貿易交渉の進展期待、さらには、決算発表の無難な通過などが相場回復を後押ししたと考えられます。日本の年度末が控える3月に入り、世界の株式市場はこのまま好調を維持するのでしょうか。米国、欧州、中国、そして日本と、順を追って状況を確認してみましょう。
「織り込み済み」が狙い時?投資タイミングの見極め方
市場予想に注目
昨年10月から12月にかけて、グローバル株式市場は大きく調整しましたが、年明け以降、落ち着きを取り戻しています。背景として、米中通商交渉の進展期待が高まってきたこと、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策に対して柔軟な姿勢を見せたことで市場に安心感が広がったこと、が挙げられます。しかし、投資家が気にしていた企業業績の先行き懸念が解消されたわけではありません。にもかかわらず、株価が堅調な動きを示したのは、業績の厳しさは「織り込み済み」だったからといわれます。今回は、この「織り込み済み」とは何なのか、そしてそれを投資に活かすにはどうしたらよいのかをご紹介します。
FRBの姿勢変化でも1ドル=110円前後のレンジ相場が続く理由
購買力平価は一段の円高を支持?
「君子は豹変す」、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のことです。今年に入りFRBの姿勢がハト派にシフトしたのは明らかで、ドル円相場の環境は昨年とは明確に変化したと言えます。また、以前から市場の一部では購買力平価に比べて円の水準は割安という声も聞かれています。今後は円高リスクが高まると考えるべきでしょうか。
早くも春の兆し?相場見通しが改善すると考えられる理由
ネガティブトレンドに乗る時期は終わろう
2019年も1ヶ月が経過しました。年明けから様々な報道で「リスクオフ」のワードが声高に聞こえてきますが、筆者にはそのように思えません。最新情勢や米1月の雇用統計結果から、この先の相場見通しを考察します。
株式市場が動揺した時に確認すべきこと
「本物の美人」を長期保有で
2018年のグローバル株式市場を振り返ると、米中貿易摩擦などに振り回され、変動の激しい1年でした。2019年はいよいよ米中貿易摩擦が実体経済に影響を与え、世界経済が失速するのではないかと投資家は身構えているようです。そんな時は、まず株式などのリスク資産の配分が適切かどうかを振り返ってみるのがいいかもしれません。これまでもリーマン・ショックや欧州債務危機、チャイナ・ショック、英国のEU離脱決定といった経済や株式市場を大きく動揺させる出来事はあり、今後もこうした事態が起こる可能性は十分あります。今回は、経済や株式市場に大きな動揺が生じたときでも、これまでの生活や人生設計が変わらないよう、確認しておくべきことをご紹介します。
米FRB利下げにも現実味?2016年に見る今年のドル円相場の行方
やはりカギは米中貿易協議
今年は2016年と状況が似ているとされます。一体どういうことでしょうか。同年と比較しながら、為替市場の今後の動向を占ってみたいと思います。
年初の急激な円高と株価乱高下、相場を救う救世主は誰?
市場参加者が少ない時間は要注意
日本時間1月3日午前7時半ごろ(NY時間2日午後5時半ごろ)にドル円相場は1ドル104円87銭といった円高に大きく振れました。また、株価の乱高下も続いています。米国株式市場は現地時間3日には前日発表されたアップルの業績下方修正を引き金に大きく値を下げたと思いきや、翌日にはその下げ分を打ち消す上昇です。この不透明な市場をどう見ればよいのでしょうか、為替・株価それぞれの変動背景を解説します。
2019年為替相場を大予想!ポイントを徹底解説
あの不況前の環境と似ている?
今年も残すところわずかとなりました。ここまでのドル円相場を振り返ってみると、3月下旬に一時104円56銭まで円高が進みましたが、その後は基本的に円高修正の動きとなっています。米連邦準備制度理事会(FRB)の段階的な利上げがドル高を牽引したと言え、円下落ではなくドル上昇だったという表現が当てはまるかもしれません。結局、10月上旬には一時114円55銭まで円安に振れ、ここまで年間のレンジは概ね10円となっています。ひるがえって2019年はどのような動きになるでしょうか。基本シナリオは「米国の利上げ停止」になります。では、詳しく解説したいと思います。
年末に慌てるなかれ、米11月雇用統計が“悪くない”理由
年が明けてからが本番
12月7日に発表された米11月雇用統計は、非農業部門就業者数(以下、NFP)が予想中心値前月比+19万8千人に対し同+15万5千人と、一見弱い内容となりました(9月10月分合わせて1万2千人下方修正)。この結果をどのように見ればよいのか、また、これから年末の相場値動きをどう読めばよいのか、説明します。
ゴールドラッシュ成功者に学ぶ、長期投資のヒントとは?
金脈は成長業界の“隣”にあり
2018年10月以降の株式市場は不安定な動きをみせました。株価の下落局面や不安材料の多い時期は、なかなか手が出しづらいものです。しかし、不安材料が薄れてから株式を購入しようとするとタイミングを逸してなかなか買えないか、株価の高いところばかりで購入するということになってしまいます。そうならないためにはどうしたらよいのでしょうか。ヒントは19世紀のアメリカ、“ゴールドラッシュ”にありました。
戻るか米国株のブル相場、カギは企業業績の継続性
業績堅調でもモメンタム低下の今
11月の世界の株式市場は、懸案の米中間選挙を無難に乗り切り、ひとまずは落ち着きを取り戻したかに見えました。しかし、米国の業績不安や中国の景気減速懸念から売られると、再び不安定な相場展開を強いられています。年末に向けてどのような動きが予想できるのか、米国株の現状と見通しを考察してみましょう。
ドル円相場を見通すために押さえたい“2つのポイント”
頼りになるのは実需の資金フロー?
未来を予想することはそもそも難しいのですが、為替市場を見通すことは一筋縄ではいきません。また、通貨は2国間の相対的な力関係でレートが決定されるため、絶対的な価値基準がありません。つまり、割高、割安の判断を主観的なものに頼らざるを得ないことも為替の予想を難しくしています。今回は、この難しい為替相場を見通すには何を見ればよいのか、現状の市場動向を踏まえながらご説明します。