迫る大統領選、インドネシア経済に注目すべき2つの理由
停滞中の景気は浮揚するか
2019年は、いくつかのアジア新興国で実施される選挙が注目されています。そのうち、すでに3月24日に、タイで下院総選挙が実施されました。実施前の最大の注目ポイントは、現在の暫定軍事政権から民政に移管させることができるか、という点でした。現時点ではまだ最終結果は確定していないものの、これまで通り、軍事暫定政権が続くことになりました。その意味で、今回のタイ下院選挙は事前に注目されていたほど影響を与えなかったといえます。そして、タイ以上に注目されるのが、4月17日に実施されるインドネシアの選挙です。選挙直前のインドネシアの景況感と先行きの見通しなどについて、考えてみたいと思います。
中国版ナスダック「科創板」が盛り上がりをみせるワケ
中国当局肝いりの新市場
「科創板(technology innovation board:科学イノベーションボード)」をご存知でしょうか。「科創板」とは、上海証券取引所に設立予定のハイテク新興企業に特化した新市場です。2018年11月に中国の習近平・国家主席が上海で開催された「第1回中国国際輸入博覧会」で行った基調講演の中で初めて「科創板」の創設構想について言及し、以降、中国国内で注目度が高まっています。
今や「ポスト中国」、各国がこぞってベトナムに投資をする理由
外国直接投資が過去最高
海外からベトナムへの直接投資が増加しています。2018年の外国直接投資(FDI)実行額は、過去最高の191億米ドルとなりました。今年に入ってもFDIの勢いは衰えず、1~2月のFDI認可額は新規・拡張を合わせて33億米ドルと、前年同期に比べて58%増加しています(出資・株式取得は除く)。さらに特徴的なのは、足元の認可額の5割を香港からの投資が占めたことです。米中貿易摩擦の長期化を背景に、米国などへの迂回輸出先として、中国企業の間でもベトナムの注目度が高まっていることがうかがえます。
中国の自動車市場が“冬の時代”へ、残された成長余地を探る
消費喚起政策効果より構造的変化に注目
昨年、中国の新車販売台数は前年比2.8%減の2,808万台と前年割れになりました。28年連続で拡大してきた世界最大の自動車市場に変調の兆しが表れています。中国の自動車市場で今、何が起こっているのでしょうか。
景気減速が表面化、アジア新興国に見る米中貿易戦争の深刻な影響
逆境乗り越える国はどこ?
世界的には、米中貿易戦争の行方や中国の景気鈍化などが最大の注目材料となっていますが、直近はその影響がアジアの新興国に拡がりつつあります。どのような国、企業が影響を多く受けているか、今後の見通しを含めて考えてみたいと思います。
2019年の中国経済を左右する「5G」投資の現状とは
「中央経済工作会議」を読み解く
「中央経済工作会議」をご存知でしょうか。中国共産党と中国政府が年に1度、翌年の経済政策運営の基本方針を決める会議で、毎年12月に2~3日間の日程で開かれます。党指導部や閣僚、地方政府や大手国有企業だけでなく、軍の幹部も参加して経済成長率や物価など経済運営の目標を議論する重要会議の一つで、中国の株式市場に与える影響も大きいです。今回は、2018年12月に行われた「中央経済工作会議」の内容から、中国株式市場の見通しについて考察してみます。
波乱要因目白押し、どうなる?2019年のアジア株式市場
5つのポイントを解説
2019年の金融市場は、米アップルの業績が悪化したことに端を発したアップル・ショックや、米国の景気減速懸念などを背景に、先進国のハイテク株を中心に大きく下落し、円高が急伸するなど、波乱の幕開けとなりました。足元は落ち着きを取り戻しつつあるものの、引き続き難しい相場展開が予想されるなかで、今回は今年のアジア新興国株式市場の見通しについて考えてみたいと思います。ポイントを5つ挙げるとすれば、(1)米中問題、(2)欧州問題、(3)タイ総選挙、(4)インドネシア大統領選挙、(5)インド総選挙です。
今年大幅に下落した中国株、来年の見通しは?
懸念点が多いなか期待は持てるか
今年世界の主要株式市場の株価パフォーマンスを振り返ると、2018年は日本円で投資した場合すべての市場がマイナスのリターンになりました。中でも深セン総合指数と上海総合指数、香港ハンセン指数に代表される中国株の軟調さが目立ちました。中国株が大幅に下落した原因としては、実体経済の減速や米中貿易摩擦の激化、投資家心理の悪化などが考えられます。中でも米中貿易摩擦は、中国株にとって大きな懸念材料となっており、来年以降も株式市場の重石になると予想されます。今回は、中国株の来年の見通しについて考えてみたいと思います。
内憂外患の台湾、“ハイテク・アイランド”は正念場に
政権交代の機運高まる
11月6日、米国では中間選挙が実施されました。トランプ大統領の就任後2年間の政権運営に対する国民からの評価という位置づけとして、また、結果次第で世界にも大きな波紋を呼ぶ可能性があるため注目されていましたが、ほぼ予想通りの結果となりました。実は同じ11月に、もう一つ注目の中間選挙がありました。11月24日に台湾で実施された統一地方選挙です。この選挙結果が今、台湾を大きく揺るがしています。
もはや崩壊前夜?ブレクジットだけじゃないEUの受難
一難去らずにまた一難
ここ数か月、世界的には、米中貿易戦争の行方が最大の注目材料となっていますが、そのなかで新たな不安定要素になりそうなのが英国の動向です。世界経済におけるウェイトという面からみると、米国や中国に比べて小さいものの、英国の影響度も見過ごせません。今回は、英国の現状と今後の先行きに加えて、EUの現状、先行きなどについて考えてみたいと思います。
拡大する「独身の日」商戦、中国の消費動向に変化アリ?
中国の一大消費イベント
11月11日。独り身をあらわす「1」が四つ並ぶため、中国ではこの日を「独身の日」と呼ぶようになりました。1990年代から大学生などの若者の間で広がり始めたものですが、それとともに「独身の日」の特需を当て込んだ商戦も活発化しています。今年も「2分で取引額100億元突破」というニュースを耳にした方もいるのではないでしょうか。
東南アジアに鉄道ラッシュ、注目の企業はどこ?
ベトナムとインドネシアにMRT建設
ASEAN(東南アジア諸国連合)主要国の中でも都市鉄道の建設が遅れていたインドネシアで、来年にもMRT(大量高速輸送鉄道)が開通します。インドネシアと同じく交通インフラの遅れが目立つベトナムでも、相次いでMRTの建設が着工し、駅建設予定地の周辺を中心に不動産開発ラッシュとなっています。この開発ラッシュので注目される企業はどんな企業なのでしょうか。まずは、現地の開発状況を見てみましょう。
年末に底打ち?ドル高でもベトナム株に反発期待の理由
カギはクローリングペッグ制
日経平均株価が大きく下落した10月11日、新興国株式市場も軒並み値を下げました。先進国の利上げが進み新興国市場には逆風と言われるなか、当面株価の反発は望み薄に思えます。しかし、筆者は新興国市場のなかでもベトナム株式市場が年末から反発する可能性があると予想しています。それはなぜなのか、今回はその理由を説明したいと思います。
通貨安でも経済好調、インドルピーの戻りはいつ?
直近GDP成長率は前年同期比8.2%増
2018年は5月辺りから新興国からの資金流出の動きが顕著になっていますが、なかでも特に目立つのが新興国通貨の売りです。経常赤字国を中心に通貨安基調となっています。アジア新興国では、インド、インドネシア、フィリピンなどの通貨の下落が目立っていますが、同じ通貨安でもその要因、背景は異なっています。このうち、インド経済およびインド・ルピーの現状と見通しについて考えてみたいと思います。
新型iPhoneで注目、業績期待のサプライヤー銘柄3選
アップル以外からも引き合い多数
9月12日、米アップルは「iPhone XS」、「iPhone XS MAX」、「iPhone XR」という3つの新型モデルを発表しました。新型モデルの販売が伸びると、アップルだけでなく、その部品サプライヤーにも好業績が期待できます。今回はどんな企業が部品を提供しているのでしょうか?注目企業をご紹介します。
中国株は9月に反転できるか、国内景気対策の中身とは?
「金九銀十」との相乗効果を期待
2018年7月末、中国政府は今年下半期の重要政策の基本方針を発表しました。足元の経済情勢について「新たな問題や挑戦に直面し、外部環境には顕著な変化が生じている」と分析。米中貿易摩擦などを念頭に、中国では景気の下振れリスクが高まっているとの認識を示したのです。こうした見地から、今年下半期について中国政府は、経済や社会の安定を重要視する事を明らかにしました。具体的にどのような対策をとるのでしょうか。
騰勢一服の「ベトナム株」、いま仕込むなら“どの銘柄”?
現地取材で4社をピックアップ
通常とは逆の、東から西へという異例の進路をたどった台風12号が関西地方を襲った7月29日。筆者は現地取材の目的で、定刻より約6時間遅れたフライトでベトナムに向かいました。このたびのベトナム出張においては、1週間の日程でホーチミンとハノイを訪れ、上場企業や証券会社とミーティングを行ったほか、大規模不動産プロジェクトや、ショッピングモールなどの近代小売店舗を巡り、勃興するベトナム経済の現状を肌で感じてきました。今回は、そんなベトナムの“今”を報告します。
ドル高局面における新興国投資のカギは?
先進国金利と実体経済の成長率
2018年も下半期となりました。上半期には新興国の為替がドル高傾向となり、新興国投資は「逆風にさらされている」と言われています。なぜ、ドル高になると新興国投資が不調になるのでしょうか?今日は、そのメカニズムを説明したいと思います。