底入れした株式市場は高値を取り戻せるのか?
「半値戻しは全値戻し」
昨年10月に始まった米国発の世界的な株式市場の下落は約3カ月に及びましたが、年初の「アップル・ショック」で一旦、底入れしたようです。この間、様々な要因が複合的に絡みあってきたことが、相場の調整を長く深いものにしたのだと思われます。それらの要因を、順を追って改めて見てみましょう。
ウォーレン・バフェットが個人投資家に薦める投資法とは?
長期的に成長を見続けることが大事
以前の筆者記事で「ウォーレン・バフェット流の投資術」についてご紹介しました。それは簡単に言うと将来に渡って利益が伸び続けるであろう企業の株式を今のうちに買っておく、というものです。前提には「企業の業績と株価は長期的に一致する」という考え方があり、株価が上昇する銘柄を探すためには業績が伸びる銘柄を分析して見つけ出す必要があるということです。これは投資をする上で非常に重要な考え方ですし、ぜひ皆様にも覚えておいていただきたいと思います。ただし、企業の分析には一定の知識やスキルが必要ですので、ある程度時間を割いて真剣に分析しなければ思うような成果は得られないでしょう。さらに実はバフェット自身は、自分のやり方は誰にでもまねできるものではないし、自分の保有している銘柄をまねして買うこともやめたほうが良いと言っています。それでは彼は個人投資家に対してどのような投資法を薦めているのでしょうか?
悲観一色の株式市場、それでも2019年に期待できるワケ
明るい面にも目をむけよう!
今年もいよいよ残すところ、あと10日あまりとなりました。株式相場はさえない展開が続いており、このままでは日経平均株価が「アベノミクス相場」開始以来初めて、7年ぶりの年間下落となる可能性が高まっています。無理もないことかもしれません。株式市場を取り巻く環境は、米中貿易戦争を筆頭に、英国のEU離脱の行方、米国の金融政策、中国景気の減速懸念など不透明感が満ちあふれています。そうしたなか来年は、世界全体の景気も悪化するのではないか、そうした不安が世界的な株安の根底にあるのだろうと思われます。マーケットに「不安」は確かにあります。しかし、本当にそこまで景況感は悪いのでしょうか。
見え方がガラリと変わる?“横”からの銘柄分析術
分析は“縦”と“横”の組み合わせ
前回の筆者記事(11月8日付「投資成果に直結!簡単にできる企業決算分析術とは」)では、企業の業績を3ヶ月に分解する分析手法をご紹介しました。企業は決算短信で業績の累計値のみ発表するのでそれを3ヶ月に分解すると、累計値で見るのとは異なる実態が浮かび上がってくることがあるというものです。また、以前の記事では、株価と企業の業績は密接に関係し、長期的に業績が拡大していく銘柄は株価も長期的に上昇していくことをご紹介しました。これらのように、ある企業の過去の業績に着目しヒストリカルに分析していくことは言わば“縦”の分析です。本日はさらに分析精度を上げるために、視点を変えた“横”の分析についてご紹介します。
稀代の投資家から学ぶ、「市場サイクル」の見極め方
歴史は繰り返さないが、韻を踏む
ハワード・マークス氏の新しい著書『市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学』(日本経済新聞出版社)が発売されました。ハワード・マークス氏と言えば、米国有数の運用会社、オークツリー・キャピタルの創業者・会長であり、あのウォーレン・バフェット氏が絶大な信頼を寄せる投資家です。なにしろバークシャー・ハサウェイの株主総会で、マークス氏の前著『投資でいちばん大切な20の教え』を出席者全員に配布したというのですから、バフェット氏がいかにマークス氏の考え方に共感しているかがわかります。そんな稀代の投資家、ハワード・マークス氏の投資哲学が詰まった『市場サイクルを極める』の中から私たちが市場と向き合う時に参考にするべきポイントをいくつかご紹介しましょう。
投資成果に直結!簡単にできる企業決算分析術とは
決算短信をどう読む?
日本企業の決算発表シーズンが始まっています。今回は「簡単にできるのに意外と知られていない企業決算分析術」をご紹介します。
「日経平均27年ぶり高値からの下落」をどう考えるべきか
株価を決めるのは企業価値
前回の筆者記事(9月27日付け「あの急落前とソックリ?今年の10月相場も警戒する理由」)を覚えておられるでしょうか?米国株と長期金利の関係が、大暴落を演じた今年2月と同じ状況であると警鐘を鳴らしました。案の定、今月に入って世界同時株安が起こりました。危惧していたとおり、不安がまさに現実のものとなってしまいました。
今さら聞けない「株主優待」のキホン、何がそんなにいいの?
株主優待はただの”オマケ”にあらず!
「株主優待」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。株主優待で生活することで有名な桐谷広人さんがテレビ番組に出演したことで、知名度が大きく高まりました。株主優待というと「あくまでオマケ」というイメージが強いと思います。たしかに株式投資の目的は値上がり益や配当を受け取ることによって自分の資産を増やすことですから、たくさんの株主優待をもらったとしてもその銘柄の株価が大きく下落してしまっては元も子もありません。ですが、株主優待は株価の値上がり・値下がりにも大きく影響するとても重要な投資のファクターです。今回は「株主優待はただの”オマケ”にあらず!」というテーマでご説明していきます。
かつての急落前とソックリ?今年の10月相場も警戒する理由
10月は株式投資にとって危険な月?
昨日(9月26日)は3・9月決算銘柄の権利落ち日でした。日経平均は8日ぶり反落、100円近く下げて始まった後は下げ幅をじりじり縮め、大引けは24,033円と前日比93円高で終えました。155円程度の配当落ちの影響を考えれば、実質的に250円近くの上昇です。 堅調な実質10月相場のスタートとなったといえるでしょう。しかし、脅かすつもりはありませんが、10月は株式相場の急落に注意したいものです。「トム・ソーヤーの冒険」で知られるマーク・トウェインは、10月は株式投資にとって非常に危険な月だと述べています。実際に、歴史に残る大暴落、「暗黒の木曜日(1929年)」や「ブラック・マンデー(1987年)」は10月に発生しました。日経平均の歴代暴落ランキングを見ると、上位10回の暴落のうち、半数の5回が10月に集中して起きています。その5回のうち最大のものはブラック・マンデー、そして残りの4回はいずれも2008年の10月、すなわちリーマンショック時に記録したものでした。では、今年の10月は……?
投資の神様バフェットに学ぶ、株式投資で勝つための思考法
世界一有名な投資家の投資術とは?
ウォーレン・バフェットという名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。おそらく、「世界一有名で偉大な投資家」と言い切っても差し支えないでしょう。バフェットは1930年ネブラスカ州オマハ生まれの御年88歳にして米国で上場している投資会社バークシャー・ハサウェイ(時価総額約58兆円!)のCEOを務めています。バフェットが偉大な投資家として尊敬されている一番の理由はなんと言ってもその卓越した投資成績で、バークシャーは米国の代表的な株価指数であるS&P500を遥かに上回る成績を長年続けてきました。S&P500自体が過去50年間の年率平均リターンが約7%ですから、それを上回るというのは本当にとてつもない成績です。その他にも莫大な金額の寄付やウィットに富んだ発言の数々からいつしか彼は「オマハの賢人」と呼ばれるようになりました。今回はそのバフェットの投資法の一端をご紹介します。
「トルコ・ショック」が実は“絶好の買い場”だったワケ
「危機」にならない「ショック」とは?
ちょうどお盆休みが始まろうという頃、株式市場は激震に見舞われました。米国のトランプ政権が表明したトルコに対する制裁関税方針でトルコリラが2割も急落した「トルコ・ショック」です。動揺は瞬く間に世界の株式市場に広がり、日本株も急落しました。日経平均株価は25日、75日、200日の移動平均線をすべて下に抜け、下値メドが見えない状況になりました。まさに相場は悲観ムード一色でした。無理もありません。リーマンショックから10年、トルコ・ショックは新たな金融危機の引き金になりかねない、という論調まで市場の一部でささやかれていたのですから……。
4~6月期決算が本格化、「株価上昇企業」の傾向は?
値上がりは好業績銘柄だけじゃない
4~6月期の決算発表が本格化しています。これまでのところでは、良い決算と悪い決算が入り交じる、という印象ですが、実は何をもって「良し悪し」とするかは案外難しいものです。単に増益なら良い、減益ならダメ、というものではありません。ポイントは、増益率の大小だったり、市場のコンセンサス対比で上振れたか下振れたかだったりします。その結果、好決算を発表したにもかかわらず、株価が下落することがあったり、その反対に冴えない内容の決算なのに株価が上昇することもあります。
いま「米銀株」に改めて注目すべき“5つの理由”
4~6月期決算発表が本格化
米銀の2018年4~6月決算発表がスタートしました。一般的に、銀行は金利上昇で儲かるセクター。ならば、米国の銀行はFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを続けることで、わが世の春を謳歌していそうです。ところが、銀行株のパフォーマンスはイマイチです。これはなぜでしょうか。
夏到来!今からでも間に合う「サマーストック」の見極め方
夏物不振の小売り株に出直り好機?
首都圏は梅雨が明け、早くも暑い夏がやってきました。関東甲信地方が6月に梅雨明けするのは気象庁の統計開始以来、初めてのことです。今年の夏は猛暑の予想で、この先もまだまだ暑さが続きそうです。こうなると、株式市場ではサマーストックの出番です。猛暑となるとビール、飲料、アイスクリーム、エアコンなどが売れるから、それらの関連企業に注目が集まります。しかし、暑い夏が来るなら猛暑関連銘柄を買おう!というのは、かなり素人的発想です。
「経済サプライズ指数」の急落は相場一変の“前奏曲”か
貿易摩擦悪化で中国は大丈夫?
各国の経済指標が、市場予想を軒並み下回り始めました。緩やかな景気回復と低金利が作り出した「適温相場」の余韻も、いよいよ終わりに差し掛かっているのでしょうか。
イタリア政局混乱に見る「市場のストーリー」の脈略のなさ
個人投資家はどう向き合うべき?
5月末、南欧発のリスクオフ(回避)の波がマーケットを揺らしました。欧州の株式市場やユーロが売られたのはもちろん、米国のNYダウ平均も一時500ドルを超える急落となりました。むろん、動揺は日本にも及び、大幅な株安・円高となりました。一体なぜ、金融市場はそこまで揺さぶられたのでしょうか。そして、個人投資家はどう対処すべきだったのでしょうか。検証してみたいと思います。
「ブロックチェーン・ウィーク」に見る仮想通貨の今後
昨年はイベント前後で価格が急騰
5月14日から16日にかけて、仮想通貨の情報サイト「CoinDesk」が運営する年次イベントがニューヨークで開催されました。「ブロックチェーン・ウィーク」とも呼ばれ、全体では昨年の2倍強の8,500人もの投資家や個人が参加しました。勢いづいたCoinDesk は、さらに9月にシンガポールでも初めてのフォーラムを開催すると発表しました。同イベントでは、金融当局者の講演や、技術系の若手実力者と金融関係者によるデジタル決済の将来に関する討論など、143のセッションが行われました。開催場所のニューヨークヒルトンホテルの周辺では、高級車のランボルギーニがプロモーションとして車を走らせたことも話題になりました。
本日発表「トヨタ決算」が注目に値する“単純ならざる理由”
3月期企業の決算発表がピーク
今週決算を発表する企業数は今日が200社超、明日は400社超、そして明後日は800社近くと倍々ゲームのように増えていき、金曜日がピークとなります。まさに決算発表は佳境を迎えています。さて、注目銘柄ですが、多くの市場関係者が決まって挙げるのがトヨタ自動車です。言うまでもないことですが、日本の時価総額最大企業であり、本邦企業で初めて純利益が2兆円を突破した、押しも押されもせぬ日本の株式市場を代表する銘柄です。実際にトヨタの決算発表は印象深いものが多かったです。