はじめに

2018年2月17日に開催されたイベント「【マネーリテラシー】が身につく1Dayスクール〜お金に困らない人生を送るために役立つ知識とは〜」。本イベントでは、これから新しい時代を生き抜くための人生設計とお金について、さまざまなセミナーが開催されました。

その中から本記事では、大和証券株式会社営業企画部 副部長・長島義浩氏による「現役世代の積立投資 ~つみたてNISA・iDeCoの活用法~」と題したセミナーの内容を紹介します。


リスクとリターンの関係

長島氏: 皆さま、こんにちは。私は、大和証券営業企画部の長島と申します。本日は「マネーリテラシーが身につく1DAYスクール」にお越しいただきまして誠にありがとうございます。今日こうして会場を見ておりますと、やはり現役世代の方が多くて、こういった方々がこれから投資をしていく、もう始めてらっしゃる方もいらっしゃると思いますけども、その中で積立投資がいかに有効な投資方法なのかを改めましてご説明させていただきます。その手法として、「つみたてNISA」とか「iDeCo」の活用法などもお話していけたらと思っています。

まず、積立投資の機運が高まってるのは皆さんも感じてらっしゃるんじゃないかなと思います。今年の1月からいよいよ始まった「つみたてNISA」という制度です。それから昨年、全国民が使えるようになった「iDeCo」。国の政策の後押しで積立投資が非常に有効だということで、皆さんも関心が高まっているのではないでしょうか。

なぜこの積立投資とか資産運用の機運が高まってるかといいますと、やはり公的年金に対する皆さまの不安というのはなかなか拭えないと。昨今も新聞紙上とかでも言われているように、年金の受給開始年齢が引き上げとか、引き上げたほうがたくさんもらえるとか、いろいろなことが取り沙汰されてます。そういった中で、皆さまがご自身で資産形成をこれからしていく必要があって、それを後押しする制度がいろいろと拡充されているということです。今日はかなりベーシックな話で、これまでも聞いてらっしゃることと重複することはありますが、おさらいも含めましてお聞きいただけたらと思います。

今日の目次となっておりますけども「積立投資はなぜ有効?」というところから、「つみたてNISA」「iDeCo」という制度ですとか、これを活用した積立の投資方法についてご説明していきたいと思います。今日は積立投資の話をずっとしてるんですけども、本当に有効な制度なのかを私のほうから説明させていただけたらと思います。

まず積立投資を考える前に、投資におけるリスクとリターンの関係をよく理解する必要があります。

よく、リスクという言葉は危険と訳されますけども、リスクは危険ということではございません。先ほどもいろいろお話があったと思いますけども、資産運用におけるリスクというのは「不確実性」ですね。資産が増えたり減ったりする。確実ではないんですね。「バラツキ」といいまして価格変動の幅がある。資産価値が上がったり下がったりするわけです。一方、リスクがあるからリターン、収益というのが得られるわけですね。

ですから、一般的にリターンの大きいものほどリスクは高いと。これも皆さんよくご存じだと思いますけど、再度ここをご認識いただければと思います。ですから、ハイリスク・ハイリターンという不確実性が大きいものは当然ながら上がったり下がったりの幅も大きいということですね。右側のローリスク・ローリターンというのは、価格変動の幅が小さい。例えばハイリスク・ローリターンなんていう商品は、皆さんは当然買わないですし、逆にローリスク・ハイリターンというものもないということはここでご理解いただけたらと思います。

このリスクとリターンの関係を、いろいろな商品で見ていきたいと思います。まず、一般的に有価証券の種類でいいますと、こちらに書いてありますように、外国株式や国内株式、外国債券、国内債券、預貯金というのは有価証券ではないんですけど、こういったものがあります。これはリスクが右上になるほど高くなっていくと。そのぶん(期待)リターンも大きくなるということです。

例えば、債券と呼ばれる商品は企業にお金を貸し付けて、そのうえで利息を受け取るという形になります。利子ですね。ただ満期というものがありまして、債券には貸したお金は返ってくることをお約束してるということから一般的にリスクは小さくなります。当然その結果として、リターンも小さくなるということです。

一方、株式においては、日本の株式よりも外国の株式のほうがリスクは大きくなるのは、皆さんもよくご存じのように為替が影響しているということですね。仮に円高になってしまうと、皆さんの持っている株式は外貨建てで買い付けしているものですから、そのぶんだけ値下がりをしてしまいます。今、為替が急速に円高になっていまして、105円台を直近はつけたというような状況になってくると、外国の株式に多く投資してる場合、そのぶんだけドルの価値が下がるということで、例えば投資先の外国企業の株が下がってなくても、円ベースでの資産価値は下がるという価格変動の影響を受けるわけです。そういったリスクとリターンがあって、やはり外国株式というのが全体としては一番リスクが高いと思うわけです。

ただ、このリスクとリターン、それが右上になるほど良くないとか、こちらに投資するべきではないというのではなくて、このリスクとリターンの関係を踏まえたうえで、皆さまがどのぐらいまでリスクとリターンを享受できるかを、これから投資をするときに決めていくことが重要になります。このリスクとリターンの影響を受けにくくする、小さくするという方法が積立投資と呼ばれるやり方なんです。

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