資産運用は考えないことが重要

このセッションは、基本的に初心者向けの資産運用講座ですので、マーケットの話はこれぐらいにして、ここからは資産運用講座をさせていただこうと思います。

資産運用で重要なのは、最初に申し上げたように、考えないことが重要です。でも、私は皆さん考えますよねと言いました。では考えないようにするにはどうすればいいかということですけれども、一言で申し上げると、考えないでも済むような状態にしておくということです。非常にシンプルに言えば、考えることができないぐらいまで分散をさせておくということです。なぜ考えてしまうのかというと、準備ができていないからです。

ですから、できる限り徹底して準備をしておきましょう。それが資産運用では、資産の分散と、時間の分散を徹底しておくということしかないんです。そうすると、もうこれ以上動けない状態なので、もう考えないでおこうということになるわけです。それがだんだん長期投資の感覚につながっていきます。

まず、資産の分散ですけれども、これは非常にシンプルなチャートです。緑のラインは、先進国株式100%に投資したケースです。青のラインは、株と債券に分散したケースです。円ベースで取っています。ここでは、リーマンショック前の最も高いときに買ったという非常に不幸な人が、どのようにその後を過ごしてきたのかを見てみます。

ちょうどこの2007年の終わりから2008年にかけてのポイントです。そこからいきなりどーんと下がっていきます。そしてようやく今、プラスに転じてきたという状況ですね。やっぱり長期で持ったほうがいいということも示しています。

ただ、青の先進国株式50%&先進国国債50%の分散と比べていただくと非常にシンプルですけれども、下がる程度が当然国債を入れておくほうが小さいわけです。その分何が起こるかというと、プラスに行くタイミングも株100%より早く上がっていきます。

心理的に考えると、この下がっている幅の差、これが恐怖感の差です。下がるときは下がります。でも、100%のときに比べれば恐怖感は小さいですし、耐える期間も、短くて済むということになります。ですから、資産の分散というのは、基本のキになるわけです。

もう一つは、やっぱり積み立てをしてくださいということです。積み立て投資というのは、資産運用会社にとってみるともうからないのです。ちょっとずつしかお金が入ってきませんから。でも、皆さんの立場に立てば、やっぱり積み立てをしていただく。今みたいに株価が高いというときも、積み立てをしていただくのが重要です。今みたいに高いときは、少ないユニットを買って、低いときにたくさんのユニットを買う、という形で時間分散をうまくかけられます。

このチャートで示しているのは、グレーのラインが日経平均株価です。ピークから半分に下がって、今2万2000円というところですから、まだ半分に下がったままです。ただ、このピークのときから毎月1万円ずつ積み立て投資をするという方がいらっしゃったならば、積み立てた金額は水色のラインで、青のラインが運用の成果です。

つまり、この半分になった日経平均の株価ですら、長期に積み立て投資をしていけば、プラスに浮き上がるということです。これをS&P500指数でやるともっと高く上がっていく絵になります。ですから、積み立てを少しずつかけていただく形で、時間の分散もかけていただくということが基本です。