はじめに

老後資金準備にiDeCoを活用した方がいい?

老後資金を効率よく貯めるためにも、掛金の拠出金、運用益、受給時に税制メリットのあるiDeCoを活用し、さらに運用で資産を殖やすことにも取り組んでいただければと思います。

会社員のご夫婦の場合、月額の掛金上限額は、お勤め先の企業年金制度や規約により、1万2000円、2万円、2万3000円と異なります。iDeCoへの加入の可否も含め、まずは、会社の担当窓口で確認してみてください。

掛金額を決める際、1点、iDeCoは、「60歳まで引き出せない」ことには留意が必要です。

リーマンショックのような金融危機のみならず、震災や感染症など、数年に一度、景気悪化の影響で収入が不安定になることが想定されます。少なくとも生活費の6カ月分、できれば1年分くらいは予備資金として自由に引き出し、解約、売却できる金融商品に預けておきたいところです。

夫が60歳時点で3000万円の貯蓄を目指し、今後30年間、毎年100万円の貯蓄目標額を掲げておられますが、お子様が私立の高校や大学に進学される場合、年間収支がマイナスとなり貯蓄を取り崩す期間もあります。特に、教育費がピークを迎える時期にも、手元に予備資金が残せるかを考えてiDeCoの掛金額を決めることが大切です。

特に、数年後にマイホームを購入される場合、現役中、住宅ローンの返済負担が大きくなるため、掛金額は慎重に検討しましょう。iDeCoだけでなく、定期預金やつみたてNISAなど、出し入れの自由度が高いものと併せて活用するのも一考です。

住宅購入タイミングとローンの組み方は?

ご相談内容から、現在、マイホームを購入するにせよ、賃貸にせよ住居費の負担が大きくのしかかる、都市部にお住いのようです。

内閣府の2019年度版高齢社会白書によると、夫が65歳になる2055年には、日本の総人口は9744万人となり、約2800万人の人口減少が予想されています。住宅の需要が減ることで、不動産価格は下落し、場所を限定しなければ今より安く手に入ると思われます。子育て中と老後では、最適な住環境も異なります。ローンを組まずに現金一括なら利息の支払いも不要。退職後に購入するメリットもありますが、それまでの家賃は掛け捨てになってしまいます。

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