はじめに

相場より家賃を上げるのが「リノベーション」

選ばれる魅力的な物件にするには、新築するのもひとつの選択肢です。しかし、今は建材費も人件費も高騰しているので、よい立地にある中古物件を買って内装を変えるほうが効率的です。

そのための方法として、リフォームとリノベーションがあります。リフォームは英語で「re・form」で、形をもとに戻すという意味です。剥がれた壁紙や汚れたカーペットをもとの綺麗な状態に戻すのがリフォームの定義です。もとに戻しただけなので、リフォームでは差別化はできません。

インカムゲインを安定させるための差別化には、リノベーションが必要です。リフォームとリノベーションの違いは、ただ1点、相場より家賃が上がるか上がらないかです。リノベーションには「イノベーション」、要するになんらかの革新が必要で、だから家賃を相場より高くできるのです。どんなにきれいな内装のデザインであっても、家賃が相場より上がらなかったら、ただのデザインリフォームであって、リノベーションとは呼べません。

それでは、具体的にどのようにリノベーションをしていくかを、デザインから考えていきましょう。デザインの方向性は大きく分けると4つに分けられます。アーバン(都会志向)、ナチュラル(自然志向)、クラシック(時代回帰)、デコラティブ(装飾華美)です。

一番わかりやすいのは都会的なアーバンです。最先端の設備をそろえた六本木ヒルズのようなイメージです。

この逆の発想が、ナチュラルなカントリーテイストのデザインです。木目を生かしたログハウスのようなイメージです。

これに対し、時代的なエッセンスを重視したのが、クラシカルなデザイン。大正和モダンだとかロココ調だとか職人の技が感じられるような、古き良き時代の内装です。

その対極にあるのが、アバンギャルドなデザイン。メタルで飾ったり、床材を幾何学模様にしたり、紫の壁紙にしちゃうようなイメージです。

この中で最も差別化が図れるデザインはどれでしょうか。まず明らかに間違っているのが、アーバンです。なぜならアーバンは、一般的な新築物件のデザインコンセプトだからです。「最先端の設備に囲まれた、アーバンラグジュアリーな暮らし」といった広告キャッチコピーが目に浮かびませんか。アーバンは設備さえ新しければ標榜できるので、簡単なんです。こういう物件に住みたい人は大勢いるのですが、世の中に大量供給されているので差別化は図れません。

だったら、新築物件には出せない魅力で勝負しましょう。それが「古さ」の魅力です。古さの魅力を打ち出していけば、大量に供給されている物件とはまったく違う価値観を提供でき、選ばれやすくなります。当社のリノベーションコンセプトも、「クラシカル」にフォーカスしています。

クラシカルには価値が廃れにくいというメリットもあります。新築物件の価値は、新築であることそのものなので、もっと新しい物件が登場すれば価値は下がってしまいます。 ところが、古さが魅力であれば、時間が経っても価値は下がりません。

ただし、その魅力を実現するためには、素材にこだわる必要があります。安っぽい素材では、ただの古ぼけた物件になってしまうからです。このため、一般的なリフォームより費用は高くなります。25㎡のワンルームマンションで内装や配管、水回りを交換すると120万円程度が普通ですが、当社では400万円ほどかけています。でも、その価値は十分あります。

人気物件には50人以上の「空室待ち」も

ありがたいことに、当社のリノベーション物件には絶えず空室待ちの行列ができています。現在も、5,000人の方にお待ちいただいています。1番人気の部屋では、実に50人待ちです。

待ちができているということは、家賃収入が途切れない、そして家賃が下がらないということになります。人気の物件は「空きます」とだけお知らせすると、申し込みが5人ぐらい同時に入るので、1番条件のいい人にすぐ貸し出せます。

当社のリノベーション物件の7割は、入居者の入れ替わり時に同じ家賃で入居者が決まっています。時間が経てば佐下がるのが当たり前の家賃を、下げずにキープでき、場合によっては上げることさえあるのです。

ただし、それを実現できるのは東京23区だけです。残念ながら、地方では築年数が家賃を下げる大きな要因になっているうえ、そのインパクトが大きい。古くなると否応なしに家賃が下がってしまいます。

ところが東京23区であれば、エリアによっては築年数がマイナス要因に入らない場合があります。例えば下北沢や赤坂見附の駅前の物件だったら、築30年でも40年でも入居者が見つかります。プラス要因の影響も強く、グレードさえよければ年数が経っても家賃を上げられるんです。古い物件を買ってリノベーションを施すことで家賃を上げるには、東京23区にしぼって投資する必要があります。

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