はじめに

新型コロナへの不安

生活が変わることで様々な不安もあるでしょう。

新型コロナの影響で不安に思うことについて見ると、最も多いのは「自分の感染」(60.2%)で、次いで僅差で、「家族の感染」(60.0%)、「友人・知人の感染」(56.9%)、「自分が感染源になる」(42.1%)と、感染関連の不安が上位に並びます(図表3)。

一方で「SNSの利用が増えてネット上のトラブルが増加」や「メールやLINEでの交流が増えてトラブルが増加」といったネット関連のトラブルへの不安は10%未満です。

スマートフォン世代は日頃からネット上のコミュニケーションに慣れ親しんでいるため、SNSなどの利用が増えても、トラブルへの不安が強まるわけではないようです。

なお、「特に不安に思うことはない」は8.1%ですので、残りの91.9%は新型コロナに対して何らかの不安を感じていることになります。

図表3 15~19歳が新型コロナに対して不安に思うこと

性別に見ると、おおむね女性が男性を上回り、全体的に女性の方が新型コロナに対する不安が強くなっています 。これは20代以上や他の調査などで見ても同様の傾向があり、一般的に女性の方が男性より不安を感じやすいようです。

なお、男女差が最も大きいのは「運動不足で太ったり不健康になる」(女性が男性より+28.6%pt)で、女性の選択割合は男性の2倍以上です。美容などを意識し始める年頃のためか、不安も強いのでしょう。

また、高校生・高専生では「勉強の遅れによる学力低下」が全体を+5.3%pt上回ります。緊急事態宣言の解除後も、短縮授業や分散登校などの形を取る学校は多いようです。感染者数の多い都市部ほど影響は大きく、学習格差が懸念されます。

このような中で、文部科学省は各大学に対して今年度の個別試験(2次試験)の出題範囲を例年より絞るように求めました 。しかし、国立大学協会は感染者への追試験や出願期間の拡大には対応するが、出題範囲の配慮はしない方針とのことです 。大学受験を控える高校生をはじめ受験生にとっては、勉強の遅れは深刻な悩みでしょう。

大学生では「運動不足で太ったり不健康になる」(全体+13.3%pt)や「生活リズムが戻らない」(+10.8%pt)、「友人と会えずに距離ができる」(+9.7%pt)、「海外留学や旅行の機会減少」(+8.5%pt)、「コロナうつ」(+5.6%pt)が全体を上回ります。これは、前述の通り、大学生は中高生と比べて新型コロナによって生活が比較的大きく変わったためでしょう。また、家族と別居で一人暮らしなどでは「コロナうつ」は全体を+11.8%ptを上回ります。

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