はじめに

コロナ禍の見通し

最後に、今後の見通しについて見ていきましょう。

新型コロナによる暮らしの変化について、「そう思う」「ややそう思う」をあわせた「そう思う層」が最も多いのは「三密を避け、社会的距離を保つことの習慣化」(72.4%)で、次いで、「店舗での買い物よりネット通販が主流になる」(67.2%)、「現金の利用よりキャッシュレス決済が主流になる」(66.4%)、「同様のサービスなら、対面よりオンライン対応が好まれるようになる」(57.9%)と続きます(図表4)。

一方、「家で過ごす時間が増え、家族との絆が深まる」(44.5%)や「友人との交流はメールやSNSなどが主になる」(43.4%)の、そう思う層は4割台です。また、「学校ではオンライン授業が当たり前になる」(35.0%)では、そう思う層が、そう思わない層(41.4%)を下回ります(▲6.4%)。

つまり、15~19歳ではネット通販やキャッシュレス決済、各種サービスのオンライン対応など消費行動のデジタル化と比べると、学校のオンライン対応や友人とのコミュニケーションのデジタル化は進みにくいと考えているようです。

これは、そもそも公立中高などではオンライン授業への対応が進んでいないこともありますが 、学校での活動は必ずしもオンラインでできるものばかりではないためでしょう。授業には体育や音楽、美術などの実技形式の科目がありますし、部活動などの課外活動もあります。

そして、仲間と同じ空間で過ごしたいという気持ちから、オンライン授業が主流となって欲しくない、また、友達とのつき合いもメールやSNSが主流になって欲しくないという希望も含まれているのかもしれません。

なお、家族と別居で一人暮らしなどでは「店舗での買い物よりネット通販が主流になる」が全体を+5.4%pt上回る一方で、「友人との交流はメールやSNSなどが主になる」(▲13.3%pt)や「学校ではオンライン授業が当たり前になる」(▲10.0%pt)では全体を下回ります。

一人暮らしの場合、コロナ禍でも食料や日用品の買い物は自分でしなければなりません。店舗での買い物への不安感などから、ネット通販が進むと考えているのかもしれません。また、仲間と同じ空間で一緒に過ごしたいという気持ちがより強いようです。

図表4 15~19歳が新型コロナによる暮らしの変化に対して、どの程度そう思うか

教育や進学、就職のオンライン環境の整備を

3月の全国一斉休校によって10代は大人より早くから新型コロナによる生活変化の影響を受けています。社会情勢が変わる中で、15~19歳の9割以上が何らかの不安を感じており、大学受験を控える高校生などでは勉強の遅れに対する不安が強くなっていました。

彼らが教育や進学、就職における不利益を被ることのないように、オンライン授業への対応をはじめとした環境整備を早急に進めることが求められます。デジタルネイティブは魅力的な学習コンテンツがあれば、大人が驚くくらい吸収するのではないでしょうか。また、実際に会えなくても、オンラインでつながることでできる思い出作りなどもあるのかもしれません。

現在、全国的に感染拡大が進む中で、生活行動や不安、見通しは、これからも変容する可能性があります。今後も継続的に調査を実施していく予定です。