はじめに

目の前の負担感から、不安ばかりが募っています

今回のご相談者さんと私はほぼ同年代、子どもの年齢が近いということもあり、とても共感しながら読ませていただきました。日本全国に、同じような状況におかれている方も大勢いることでしょう。

ご相談の文面を拝見して、「とてもがんばっているのだな」と感じました。二人のお子さんは高校生(16歳)と大学生(19歳)。まさに教育費のピークです。ご主人が自営業で退職金もないことから、ご相談者さんはパートから正社員に働き方を変えました。転職してからまだ1年未満ということですから、新しい職場で労働時間も長くなり、お仕事面でも負担が増しています。

ご主人のご両親とは現在同居しています。ご両親の年齢を考えると、近い将来、義父母さんの介護も担うことになりそうです。そうなったら、せっかく慣れた仕事も続けられなくなるかも……と心配されているのですね。

あれこれ不安に感じるのはわかりますが、将来のどうなることか分からないことをあれこれ思い悩んでも仕方ありません。よく拝見すると、正社員に転職したり、学資保険で教育資金もある程度準備できていたり、家賃がかからなかったりと、いろんなプラスの要素をお持ちです。すべてを悲観的にとらえずに、肩の力を抜いて、一つずつ順番に考えていきましょう。

水道光熱費と保険料に見直しの余地あり

家計の内訳に注目すると、ご自身でも指摘していたように、水道光熱費5万1,000円が高いですね。なかでも電気代3万円が目につきます。家が大きいと消費電力も大きくなりがちですし、古いタイプのエアコンなどは消費電力が大きいため、新しいタイプに買い替えたほうが省エネになることも。電力会社の見直しや料金プランの見直しも、まだやっていないようなら試してみてください。

もう一つ気になったのが保険料です。年齢的にも若い世代よりは保険料が高くなりやすい世代ですが、ここに書いていただいたのが民間保険料の金額だけでしたら、まだ見直しの余地がありそうです。既往症などがあり他の保険への見直しが難しい状態でなければ、保障額を減らすか、特約を外す、他社の同様の商品もあわせて検討するなどの工夫をして、ご夫婦とも保障の見直しができそうです。

まとまった支出で貯蓄が消える?

毎月の家計を拝見すると、手取り月収47万円のうち、毎月の支出が41万円ですから、毎月6万円の貯蓄ができている計算で、内訳は、学資保険が2万円、貯蓄が2万円、さらに余っていたら残りも貯蓄となっています。また、これとは別に、ボーナス年間80万円のうち、60万円を貯めているということですから、6万円×12カ月=72万円と、ボーナス貯蓄60万円を合わせて、年間132万円の貯蓄ができる計算になります。

ところが、ご資産を見ると、貯蓄総額が80万円、投資総額が70万円と、合計150万円しか書かれていないのが気になりました。学資保険に入っているようなので、下のお子さんの学資が300〜500万円程度用意できていると想像しますが、それ以外のお金はどこに行ったのでしょうか。家計収支を見ると貯められているはずなのに、残高として残っていない状況が気になります。

考えられる原因は、定期的な車の購入、家の修繕、子どもの受験関連などで、貯まったお金が100万円を超える単位で、何度も出て行っている状態です。

今後はやるべきは「家族の助けを借りる」こと

冒頭で、ご相談者さんは「十分がんばっている」というお話をしましたが、家計を見渡してもかなりやれることはやっている印象です。今のままやりくりを続けても、根本的な解決をしない限り、数年おきに数百万円のお金が出ていき、貯蓄残高が大きく減る状況が続きそうです。

今ご相談者さんがやるべきことは、家族の助けを借りること。義父母さんが建てた家に家賃なしで済んでいるということで、水道光熱費や修繕費などはご相談者さんご夫婦が支払っているのかなと推察します。しかし、ご相談者さんの貯蓄額よりも、年金生活の義父母さんの方がより多くの貯蓄を持っている可能性はありませんか?その場合、家の修繕費用は義父母さんに払ってもらう、もしくは毎月の水道光熱費をいくらか負担してもらうなどを相談してみてもいいでしょう。

お子さんに関しても同様です。例えば、大学生の子にはアルバイトをしてお小遣いや定期代は自分で賄ってもらうなども考えましょう。アルバイトがどうしても難しい場合には、奨学金などの利用も検討してください。

一緒に暮らしている家族に家計の状況を相談し、少しずつ負担を分け合えば、老後資金を貯める余裕が出てきます。

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