はじめに

退職所得控除は、他の退職金の前回受給との間の期間に注意が必要

以上の計算式の通り、退職所得の計算で、退職所得控除は勤続年数によって控除金額が変わります。退職金を複数の勤務先からもらう場合には勤続年数の重複期間を調整するルールがあり、iDeCoにもそれが当てはまります。ルールの詳細は複雑なのでご相談者の事例に絞ってご説明すると、以下のような点が重要です。

●事業者から退職金をもらってから翌年以降にiDeCoの一時金をもらう場合
14年間を開けなければ、後にもらうほうのiDeCoの一時金は勤続期間の重複期間の分が勤続年数から除外されます。ご相談者の場合、44歳からiDeCoに加入し、46歳で前職の退職金を受け取っているので、60歳でiDeCoの一時金をもらう場合、勤続年数は16年間ではなく前職との重複期間の2年間が除外されます(年数未満の調整により正確な計算をする際はご留意ください。退職所得控除額の「勤続年数」は、通常は1年未満を切り上げます。重複期間の場合は、1年未満切り下げとなります)

●退職金とiDeCoの一時金を同年度にもらう場合
退職金とiDeCoの一時金を合算し、勤続年数と加入期間のうち長い方を勤続年数として採用して、先ほどの合算金額に当てはめて計算をしていきます。

●先にiDeCo一時金を受け取ってから翌年以降に退職金を受領する場合
4年間を開けなければ後にもらうほうの退職金は重複期間の分が勤続年数から除外されます。複数社から退職金をもらうような場合、4年間の間に受領すると調整があります(退職金→iDeCoの順番の場合は上記の14年が適用)。

以上、本件ではパターン分けなどが複雑で難解ですが、受け取り方の方法などで税金の損得が生じます。税務上で思わぬ損をしないように、受け取り時に正確に計算シミュレーションを行い、その他の生活上の事情なども勘案し、どうするのが良いかを決められるのが良いでしょう。

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