はじめに

iDeCoの場合はどうする?

iDeCoの場合、人によって残りの運用期間は異なります。しかし、基本的なスタンスはつみたてNISAと同じ。運用期間がまだ20年、30年とある方はもちろん、それほど長い期間はないという方でも、このまま運用を続けるのがいいと考えます。現状iDeCoで掛金を出せるのは60歳までですが、60歳になっても、70歳までは非課税で運用を続けられます(2022年4月より75歳まで非課税運用可能、同5月より65歳まで掛金拠出可能になります)。その間に、値を戻す・値上がりするタイミングがあるでしょう。そうしたら、売ればいいのです。

ただ、iDeCoの場合は、ときどきリバランスを検討しましょう。リバランスは、持っている資産の値上がり・値下がりによってずれてしまった資産配分を元に戻すことをいいます。リバランスすることで、資産配分のずれによる過度なリスクを減らすことができます。

iDeCoなら「配分変更」や「スイッチング」といった方法でリバランスができます。

配分変更は、毎月の掛金で購入する商品の購入比率を変更することです。増えた商品の購入比率を減らし、減った商品の購入比率を高めることで、資産配分を少しずつ元に戻すことができます。対するスイッチングは、これまでに買って運用してきた商品を売って別の商品を買い、持っている商品の構成を変えること。資産配分を一気に変えることができます。

iDeCoでは、配分変更・スイッチングとも手数料がかかりません(スイッチングで売る商品によっては、解約時の手数料〈信託財産留保額〉がかかる場合があります)。

できれば、年に1度は資産の配分をチェックして、資産配分に大きな偏りがある(当初の配分より10〜15%乖離しているなど)場合は、配分変更・スイッチングを利用してリバランスを行いましょう。

つみたてNISAは?

なお、つみたてNISAは、商品を売っても非課税投資枠は回復しないうえに、年40万円までしか投資できないため、リバランスしにくいのが難点です。

よって、つみたてNISA内でリバランスを行うというよりは、自分の資産を「無リスク資産(現金・預金・個人向け国債など)」と「リスク資産(つみたてNISA・その他の投資商品など)」に分けて考え、ポートフォリオ全体でバランスを取るようにしましょう。たとえばリスク資産が増え過ぎている状況ならば、つみたてNISA以外の投資商品を売る(現金化する)といったイメージです。そうすれば、リスク資産で過度なリスクを取らずにすみます。

どうしてもつみたてNISA内でリバランスしたい場合は、iDeCoで説明した「配分変更」を利用しましょう。毎月の掛金で購入する商品の購入比率を変更して、時間をかけながらリバランスするという方法です。

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