はじめに

円安が進んだら、資産の価値はどうなってしまう?

このところ為替レートはドルだけでなく、どの外国通貨でも円安の方向に動いています。「円が欲しい」という人が少ないのですから、なんだか寂しく感じられるかもしれませんが、資産運用の面で見れば悪いことばかりではありません。

為替レートが円安に進むと、外貨建ての資産の価値が高まります。たとえば1ドル=100円のときに、1万円を100ドルに両替して、100ドルの米国株を買ったとします(以下手数料等は考慮しません)。

仮にこの米国株がいっさい値動きしなかったとして、為替レートが1ドル=110円の円安になってから売り、ドルを円に戻すと、手元の円は1万1,000円に増えるということです。このような利益を「為替差益」といいます。

しかも、日本経済が伸び悩むなか、投資家は海外の資産に注目しています。中でも米国経済は順調で、株式市場はこの数十年間ほぼ一貫して値上がりを続けています。リーマンショック・コロナショックなどで短期的に下落することはありますが、そこからいち早く立ち直り、再び回復を見せています。また、その他の国々の中にも、日本より成長力のあるところが多くあります。

ですから、つみたてNISAやiDeCoなどで海外資産に投資しているならば、円安が進めば資産は増えますので問題ありません。そのまま、投資を続けていれば、為替差益と経済成長による値上がり益の両方を得る期待もできます。

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