はじめに

つみたてNISAは5年以内の海外転出なら継続できる

つみたてNISAを始められたとのこと。投資に関しては一歩前進ですね。つみたてNISAでは、最終的に利益が出ていて売却するのであれば非課税の恩恵を受けることができます。例えば、海外で働くと決めた場合、そのときにプラスになっていれば売却しその資金を海外での生活費などへ充てることが可能です。もしマイナスとなっている場合には、売却すると非課税の恩恵が受けられず損失確定となります。

それでは売却をしなければならないのか? 実は5年以内の海外転出であれば、NISAを継続利用することが可能となっています。そのため、実際に海外に行く場合、つみたてNISA口座で損失が出ていたとしても、そのまま保有しプラス転換するのを待つことも可能です。5年を超えた海外転出の場合には、NISA口座から払い出す必要があるため注意が必要です。

海外で勤務する場合、iDeCoはどうなる?

iDeCoはどうすべきか? 老後資金対策として長期の資産形成を行うのであれば、iDeCoは行うべきといえるものの、海外へ転出する可能性があるとなかなか踏み出せないのもよくわかります。本来であれば、掛金は全額所得控除が適用できるため、節税という観点からもメリットのある仕組みであり、ご相談者のような高収入の方は行うべきです。

もし海外に転出した場合には、iDeCoはどうしなければいけないのでしょうか。仮に日本国内の法人に雇用されて海外赴任する場合や、5年未満の短期就労で社会保障協定締結先の国で働く場合にはiDeCoは継続して利用できます。また、2022年5月以降においては、国民年金に任意加入していれば海外在住者でもiDeCoに加入できるようになります。

海外の企業で働くといった場合でも国民年金に任意加入すればiDeCoにもそのまま加入できるようになりますので、国民年金の支払いをしてもよいならこうしたケースでも加入する価値はあると思います。もちろん、国内企業に雇用されながら海外転勤されるのであればそのまま利用できますので、非課税の恩恵と節税の恩恵の両方を考慮すると加入されてもよいと考えます。

将来どんな道を歩むかは誰も分かりません。いろいろな可能性を視野に入れながら公的制度は活用されるとよろしいかと思います。

NISA、iDeCoだけじゃない?自分に合った資産形成のはじめの一歩をお金のプロが無料サポート![by MoneyForward HOME]