はじめに
金融資産は1700万円。順風満帆な影に2つの不安要素
現在、妻であるご相談者さんは育児休業2年目で勤務先からの給料は無いため、夫の収入だけで生活しています。手取り月収は28万円ですが、毎月の支出は18万円に抑えて、残りは貯金を4万円、残りは夫婦のつみたてNISAとして堅実に貯めています。年間100万円あるボーナスからも20万円を貯金しています。月々10万円×12か月+ボーナス貯金20万円ですから、片働きの状態でも年間140万円を貯めていることになります。
共働きでダブルインカムだった出産前は、もっとハイペースに貯めていたのでしょう。ご夫婦で26歳という若さにして、すでに1,700万円(貯蓄1,540万円、投資160万円)の金融資産をお持ちです。
このままいくと順風満帆に見えますが、将来的な不安要素を抱えています。ご相談者さんが仕事を辞めて、しばらく子育てに専念したいと考えていること。さらに、今年から夫の部署が異動になり収入が21万円に減りそうなことです。月収が28万円ある今は貯金と投資を合わせて月々10万円貯められていますが、収入が7万円減少することで、貯蓄可能額が月々3万円に下がります。
4000万円のマイホーム購入計画。家計にはどう影響する?
現在は家賃5万5000円の賃貸に住んでいますが、将来的に4,000万円の一戸建てを購入したいという希望があります。仮に物件価格の3割相当の1,200万円を頭金として入れて、諸費用も別途貯蓄から出すとした場合、残りの2,800万円の住宅ローンを組むことになります。仮に金利1%、35年ローンを利用する場合、月々の返済額は約7万9,000円となります。現在の住居費が5万5,000円ですから、現在より住居費の負担が2万4,000円高くなることになります。
なお、住宅を購入すると住宅ローン控除が利用できます。制度改正があり、2022年から2025年12月末日までに入居した住居については、一定要件を満たした場合、住宅ローン残高の0.7%が10年間もしくは13年間控除されることになります。ただし、住宅購入後は火災保険や地震保険、固定資産税なども負担することになります。年数がたてばメンテナンス費も必要になります。住宅ローン控除とそうした経費を相殺すると考えると、家計へのプラス効果は期待できません。