はじめに
妻の専業主婦計画の3つの注意点
ご相談者さんが仕事を辞めて専業主婦になるプランには、3つの注意点があります。
1つめは、お子さんをあと2人出産して、末のお子さんが小学生になるまで働かないとした場合、10年以上専業主婦期間が続く可能性があることです。専業主婦期間は将来に向けた貯蓄ができないとなると、この期間は将来に向けた教育費が貯められません。この時点で、ここまでのお話に無理がでてきます。
2つめは、住宅購入の頭金として、貯金の大部分を使ってしまうことです。専業主婦期間に教育費を貯められないのであれば、すでにある貯蓄を将来の教育費にあてるという考えもできますが、その場合には、マイホームの頭金として今ある貯金を使えなくなります。住宅価格を大幅に引き下げて、購入時期も遅くするなどの選択肢も出てきます。
3つめは、暮らしの変化です。お子さんの人数が増えると、日々の教育費に加えて、食費や水道光熱費など日常の生活費も増えていきます。まだご夫婦とも若いので、今後収入が増えていくことが期待できますが、お子さんが二人、三人と増えていき、成長していくことを考えると、いまよりも支出も増えていきます。お子さんが中高生になって塾代などもかかってくる頃には、苦しい状況になるかもしれません。
共働きで夫婦協力していくなら夫の残業減少はプラス要因に
ここまで見てきて、ご相談者さんご自身はどのように感じたでしょうか?
3人産んでマイホームを取得することが絶対に無理とは言いませんが、その場合は物件価格をかなり引き下げるか、お子さん達には奨学金を利用してもらうなど何かしらの調整が必要になります。これまでとても堅実にハイペースで貯蓄をしてきたご相談者さんからするとそんな未来は不安に感じるかもしれませんね。
来年から夫が7万円の収入ダウンになるということですが、それは残業の無い部署に異動になるからということでしたね。それは専業主婦を前提にしたマネープランではかなりの痛手となりますが、ご相談者さんが職場復帰をして共働きをしていく前提で考えた時には、実はありがたい状況なのではないでしょうか。
これまで、育児休業期間中、ひとりで家事や子育てをする時間が長かったと思います。夫のサポートを得ながら、ひとまず育休から復帰してみてはいかがでしょうか。フルタイムで復帰をするとご相談者さん自身の収入が20万円見込めます。例えば、この半分はなかったものと考えて、子育てサポートなどのサービス利用に使ってもいいと考えてみてはいかがでしょうか。毎月10万円を使っても手元に10万円は残るので、現在の貯蓄ペースを維持できます。その方が家族の明るい未来への近道のように私には思えます。
最終的に何を優先するのかは、ご自身とパートナーです。ふたりでしっかり話し合って二人にとってのベストな選択を考えてみましょう。
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