はじめに

夫の昇給を見込んだ場合のシミュレーションは?

一方、夫の年収が30代後半で1,200~1,500万円に増える前提での試算では、金融資産残高は全体的に右肩上がりで推移します。相談者の収入がゼロ円のままでも、6,000万円の住宅を購入し、25年後の第二子が大学4年生時点の残高は1億円超です。

来年から100万円ずつ年収が増えて1,200万円になったところで同額を維持するのがオレンジ色の線。しばらくは600万円のまま、夫39歳時点で1,200万円になって以降は同額を維持するのが青い線です。

一般的に、収入が増えると連動して支出も増えると言われます。収入が予想通りであり、その範囲での支出が行われるのであれば、支出が増えることに問題はありません。また、現実的には簡単ではないのですが、収入が減った時に、支出も減らすことができれば、こちらもまた問題はありません。

収入が減った際は要注意

問題なのは、収入が減った時に、支出を減らせない場合です。

相談者が食費などの生活費をコントロールして減額できるとしても、いったん購入した住宅ローンを抑えることは可能でしょうか。家賃補助が終了した11年後に住宅を購入するとして、その後の年収が予想通りに維持できるかどうかは、しっかり見極める必要があります。同時に、購入する物件もよく吟味する必要があります。家計が成り立たなくなった際に、スムーズに売却してその後の生活を維持できるだけの金額が確保できるような立地や建物であるかどうかということです。

収入は、1人で1,000万円稼ぐよりも、2人が500万円ずつ得てくるほうが安心です。共働きになると必要経費として保育料がかかりますし、その他の支出も多めになる傾向がありますが、1人に万が一のことがあっても、残る1人の収入は確保されます。

夫は転勤があるようですし、相談者は子どもが小さいうちは幼稚園を希望しているので、フルタイムでの就労は難しいかもしれません。それでも、相談者も自分の収入を持つことをお勧めしたいと思います。

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