はじめに

58歳までにどれくらい資産を増やせるか

50代後半での早期リタイアをご希望とのことですが、これから必要資金を試算するにあたり、仮に58歳でリタイアすると仮定します。まずは、58歳でリタイアする計画を立てるにあたり、今後24年間でどれくらい資産を増やせるのかを把握しておくことが大切です。

ご相談者さんの現時点での資産を整理してみましょう。

・現在の貯金総額(投資分は含まない):3,000万円
・現在の投資総額:300万円

ただし、7年後に住宅ローンの一括返済を考えていらっしゃるとのことなので、ローン残高約1,700万円を普通預金3,000万円から捻出するとします。ですから、普通預金は、3,000万円―1,700万円=1,300万円として試算します。普通預金1,300万円は0.001% で運用したとすると、ほとんど利息がつかないので、24年後も1,300万円とします。

投資については、投資信託で運用されているとのことですが、投資信託300万円は、国内外の株、債券に投資しているバランス型ファンドで運用するとします。金融庁のデータによると、国内・先進国・新興国の株、債券に分散投資をした場合の年平均利回りは、4%程度とのこと。ですから、バランスファンドで、年利4%、24年間運用できたとすると、24年後は、約770万円となります。

つまり、現在の資産は24年後に普通預金1,300万円、投資信託770万円で合計2,070万円となります。

今後の貯蓄・投資はどうなる?

次に今後の貯蓄・投資について見てみましょう。

現在、手取り月収が54万円程度ですが、お子さんが生まれた後は、妻は相談者さまの扶養範囲内で働くとのこと。計算をわかりやすくするために、今から妻の年収は100万円として試算してみます。

そうなると、手取り月収は、42万円程度となります。ボーナスについては、内訳がわからないので、手取りで140万円(夫分のみ)になるとします。

仮に生活費を30万円とすると、残り12万円が貯蓄に回せることになります。ここでは、毎月12万円をつみたてNISAも含めた投資信託で積立投資をするとします。

毎月12万円を上記のバランスファンドに投資することとします。多くのFIRE本では、基本的に個別株や株式型インデックスファンドを推奨していますが、ここでは私たちの年金を運用している、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も実践している、「守りつつ増やす」バランス運用で考えていきます。

毎月12万円を運用利回り4%で24年間積み立てると、24年後は投資信託積立の結果、約5,787万円となります。

ボーナスは、半分の年間70万円を貯蓄に回すとして、24年間で1,680万円貯蓄できるとします。

今後増える予定の資産と現在の資産の24年後の合計は、

普通預金:2,980万円(普通預金+24年間のボーナス分)
投資信託=6,557万円
普通預金+投資信託=9,537万円
※運用結果については、税金を考慮していません。

なお、上記の試算で用いている利回り4%は、絶対ではないことにご留意ください。また、今回は、退職金、贈与でもらえる予定の資金は加味していません。

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