はじめに

物価連動国債にも注目

こうしたインフレ対策の他に、物価連動国債でインフレヘッジという手段もあります。国内物価が上昇すれば、それに応じて基準価額も上がる可能性があります。ただし、物価連動国債に投資するファンドであり、投資元本が保証されるものではありません。預金とは異なることをご理解いただいた上で、預金の一部をインフレ対策として振り向けるのは良いかと思います。

今後やっていくべきことの優先順位

インフレに対して確かに悲観的になる面はあるものの、給料も上がったということですし、まだお若いので十分対策は可能です。とはいえ、すべてを投資に回す方向となると、流動性が確保できなくなり、今後の生活に支障が出る恐れもあります。

そのため、まずは第二種奨学金を返済し、支払う利子をなくす。そして非課税投資を満額行う、またはご自身の決めた配分で行う。そして金などの貴金属、不動産等でインフレ対策を行う。それでも不安なら物価連動国債ファンドでカバーし、リスクヘッジも兼ねていくのが良いと思います。500万円程度は病気等に備えて現預金で保有しておいた方が良いでしょう。

ドル建一時払い終身保険について

最後に、ドル建一時払い終身保険について。終身保険は、一般的に残すべき家族がいる場合に加入するものです。確かに、ドル建てにすることでドル高円安となった場合に解約し、元本以上の資金を確保するといった方法も考えられます。

しかしながら、今後、米国がどこかで利下げへと舵をきった場合には、ドル安円高になる可能性も残されています。一時払いの場合、利率ももちろん重要ですが、その後の為替変動をもろ受けることになります。現時点では必要ないように思います。ドル建て個人年金でとりあえず良いのではないでしょうか。

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