はじめに

お笑い芸人・よゐこの有野晋哉さんが、毎月さまざまな専門家をゲストに迎えて、お金の知識を身に付けてきた「お金の知りたいを解決!お金の学園〜学級委員・よゐこ有野晋哉〜」。今回で一旦、連載を休載するにあたり、有野さんに今までの授業を振り返ってもらいました。


有野晋哉(以下、有野):……あれ、もう授業の時間やのに、今回の先生が来ないな。

−−実は「お金の学園」は、教育方針の見直しが入り、前回の授業で一旦休載となります。

有野:うわ、ビックリした! どうした、ライターさん? え、休載なん? 聞いてへんけど。じゃあ、僕は今日は何しに来たん?

−−今まで10個のテーマで授業をやってきましたが、復習としてそれぞれのテーマの振り返りをしていただきたいと思います。

有野:なるほど。テレビでいう所の総集編ね。……でも、気になるのが終了じゃなくって休載やねんけど(笑) まぁ、振り返るけど。

【第1回】資産形成の制度

写真:文化工房

――初回のテーマは「NISA(少額投資非課税制度)」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」といった、投資の税制優遇制度でした。

有野:そうやねぇ。「お金に関する事で勉強したい事ありますか?」って所から始まったんですよ。で、自分で勉強とか研究は面倒って思ってまう性格やから、正直に言って、どんな感じになるのか全然わからなくて、ちょっと不安やったね。なので、一緒に勉強する生徒も欲しい、ってお願いしましたね。

ただ、実際に授業が始まってみると、山中先生は明るくて優しかったし、できるだけ簡単に話そうとしてくれているのが伝わってきました。生徒役の酒井瞳ちゃんもいて、相槌を入れてくれたので、やりづらさはなかったです。あ、生徒“役”とか言うたらあかんのか(笑)

――確かに、投資初心者向けの授業だったとはいえ、和やかに進んだ印象です。

有野:先生が考えてくれたカリキュラムが決まってたし、時間に制限があったこともあって、ほぼ真面目に授業を聞くだけで、授業中に茶化せないのが残念でどうしようって。せっかく芸人の自分が出るんやし、適度にボケられれば、と思ってたから、原稿が上がってきた段階でボケを追加する感じになって、「変な連載企画が始まったなぁ」って思ってました(笑) それにしても僕の髪、めっちゃ長い! イケオジやん!

――この授業を受けて、有野さんに何か変化がありましたか?

有野:大きな変化といえば、家に帰ってすぐNISAとiDeCoを始めました。テレビのCMとか雑誌とかで名前だけは見聞きして、気になってはいました。授業を受けてから、定年の60歳まであと10年を切ってることが現実的になって。年金も期待しない方がいいと言うのが分かって、「老後の生活」をリアルに感じたのを覚えてます。このまま投資をせぇへんと、自分が仕事を辞めた後、貯金を含め余剰金はそんなにないし、「孫に小遣いをあげられへんなぁ、やばいな」って思って。それで、NISAとiDeCoを始めました。

授業を受けてなかったら、おそらく気になったままで今も実際に投資を始めてないと思いますし、そういう意味では、この連載が人生の転機になりましたよ。あ、連載って言うたらアカンわ。この授業が人生の転機になりました!


【第2回】投資の基礎知識

写真:文化工房

――この回は、「投資を始めないといけない理由」のほか、投資の基礎的な内容を中心とした授業でした。

有野:塚本先生が持ってきてくれたのが高校生向けの資料って聞いて、「小学生向けのものでよかったのに」って思ってました(笑) ただ、日本では金融教育があまり進んでいなくて、小学生でも高校生でも中身に大差ないって聞いて、驚きました。日本は公式覚えて、数学やら理科やら勉強してる間に、海外では金融教育やってんのって、日本遅れすぎやん。でもなぁ、「日本では、子どもにお金の心配をさせないように、昭和の時代の家庭では『お金の話は子供にしてはいけない』という雰囲気があった」って言われて、確かにそうやなぁって。

――授業を通して、「これはためになったな」や、「そうだったのか!」といった内容はありましたか?

有野:株のほかにも投資信託とか債券の話とか、「へぇ~、そうなんや」って思ったことがたくさんありましたけど、一番印象に残っているのは「投資とギャンブル」の話ですね。投資はギャンブルって言われているけど、ギャンブルと言われてるのは「投資」じゃなくて「投機」だ、っていう話は新鮮でした。あと、「株式への投資は、会社が成長するための資金になる」ことや、長期投資の話で「20年間で元本割れしたケースは一度もなかったというデータもある」って話も興味深かったです。20年置いておけば必ず増える、ってことやもんな。

あとは、公営ギャンブルの話。公営ギャンブルには「控除率」っていうのがあって、参加した瞬間からお金が差し引かれてるっていうのは、目からウロコやった。それに、宝くじの控除率が55%っていうのは驚きましたね。ギャンブルは期待値がマイナスって聞いて、やっぱりギャンブルはやらんほうがええなって思いました。

――有野さんは、もともとギャンブルはやっていなかったんですよね?

有野:自分はやらへんけど、芸能の人で競馬とかパチンコをやってる人は多いからね。宝くじは勉強せんでもパッと買えるから、たまに買ってはいたけど、買うのを止めました。控除率の話を聞いて、ギャンブルや宝くじにハマってる人がいたら「買った時点で期待値はマイナスなんやで!」って、止めることにしています(笑)


【第3回】資産運用と家計

写真:文化工房

――この回から、もう一人の生徒が弁護士の三輪記子さんに代わりました。

有野:あ~、三輪ちゃん! 三輪ちゃんが何でも知ってるのには驚きました。投資もいろいろやってるみたいだったし。さすが弁護士だけあって、出てくる例が「離婚調停で揉めることが多いのはやっぱりお金」とか、生々しい話が聞けておもろかったです(笑)

それと、驚いたのが「FIRE(早期リタイア)」が以前ほど盛り上がってなくて、結局仕事に戻ってくる人も結構いて、ブームが下火になっているって聞いたこと。自分も、もし投資で稼いだら仕事を辞めて、ゲームばっかりする生活にあこがれてたから、「いいことばかりじゃないんやな」って、ちゃんと働こって思ったのを覚えてます。

――FIREは数年前に一時期ブームになりましたが、仕事ばかりしていた人にとっては、仕事を辞めた途端に何をしていいかわからなくなることが多い、という話でしたね。

有野:そうそう。自分はゲームが大好きだし、仕事辞めてゲームばっかりやれるのは幸せやろなぁ、って思ってました。でも、仕事があるから「はやく帰って新作のゲームやりたいな」ってワクワクできるってこともあるやろうし、ゲームばっかりやってたら、そのうち楽しくなくなる瞬間が来るかもって思いました。

あとは、授業で聞いた「ライフプラン」。人生設計の重要性について、改めて考えるきっかけになりましたね。「人生を時間軸で考えること」って聞いて、人生のイベントをいろいろと書き出して、それに対してどうこう考えたり、奥さんや子どもと話し合ったりするのは割と楽しそうやなって。もうかなり人生のイベントはこなしてきたわけやけど、これからも子どもや孫のこととか、親の介護とか、自分のお葬式とか、まだまだイベントはこれからあるわけやし、一度は家族といろいろ話し合っておかなあかんなって思いました。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward]