はじめに

【第4回】税金を知る

写真:文化工房

――これまでの授業では投資に関する内容が多かったと思いますが、この回のテーマは「税金」で、少し毛色が違う話になりました。

有野:最初に「すべての税金についてレクチャーすると時間がかかり過ぎてしまうので、みなさんの生活に割と身近なものに絞って話します」って言ってましたけど、冒頭の「税金の種類」の話で、所得税や法人税、相続税、贈与税、消費税、自動車税……って、次々と出てくるのを聞いて、「日本は税金取り過ぎやろ!」って思いました。でも、山田先生にそれを言っても仕方ない。それは政治の話になってくるやろうし、お金の学園なのでね。

今年はガソリンの値上がりが話題になってて、国がガソリン価格をおさえるために補助金を出してるってニュースで見て、「それならガソリン税を取らへんかったら、もっと安くなるのになぁ」なんて思いました。「補助金出して下げさせるけど、税金は変わらず取るってなんやねん!」って言いたいけど、それは政治の話になってくるやろうし、お金の学園なのでね。

――ガソリン価格に関してはガソリン税のほかに消費税も入っていて、「二重課税だし、ガソリン税を廃止しろ」という声があちこちから出ていますね。

有野:自分も仕事でクルマ乗るし、ガソリン価格がどうなってくかは気になってて、二重課税の話を聞いた時に「これって、『おにぎり食べながらうんこしてる』みたいなもんか?」って浮かんだんやけど、この例えは間違えてそうやから言いませんでした(笑)

ほかに衝撃的だったのは、家に送られてくる「住民税決定通知書」とか公式な通知が、割と間違いがあるってこと。通知書を作るために、まず税務署がデータを作って、それを元に役所の担当者が手作業で入力するから、思ったより間違いが発生しやすい、って話やったけど、国とか役所から送られてくる書類に間違いがあるなんて少しも思ってなかったから、今では自分の担当の税理士さんに「送られてきた税金についての書類、ちゃんと合ってます?」って確認するようになりました。


【第5回】損しない保険のイロハ

――投資、税金ときて、この回は「保険」についての授業となりました。こちらも有野さんにとって、身近なお話しだったのではないでしょうか?

有野:そうですね、保険は授業を受ける前からたくさん入ってましたし。先生に「日本人はあまり深く考えず、とりあえず保険に入っておこうという発想の人が多い」、「その保険に入っている理由・目的、何のためにその保険に入っているのかをはっきりさせるべき」って言われて、家に帰ってからどんな保険に入ってるのか確認しました。そしたら、結構な数の保険に入ってることが分かったので、とりあえず1口、解約しましたね。保険屋のおばちゃんから年末に送られてくるお歳暮が結構嬉しいから、そのおばちゃんの保険は残してるけど(笑)

――授業では、日本の健康保険制度が世界的にみて、かなり優秀であることがわかりましたね。

有野:「高額医療費制度」なんて、割と知らずに損してる人が多いと思いましたね。いまだに子どものための「学資保険」に入ってる人も少なくないけど、手数料が割高だったり、いまは金利が低いからたいして増えへんかったりするみたいやし、学資保険以外にもいろんな金融商品があるから、あえて保険のついたものを選ぶ必要がないとか。いろいろ勉強になりました。

あ、せや。この回から生徒役が自分1人になって、「1人でやってけるかなぁ」って不安でした(笑)


【第6回】そうだったのか! 投資信託

――いままで投資についての基本知識、概念的な話がメインでしたが、この回は「投資信託」にテーマを絞ることで、少し専門的な内容が増えました。

有野:投資信託なら、自分で投資の勉強とか研究をして、個別銘柄を探す手間を省けるって聞いて、そういうのが面倒って感じてしまう自分向きやなぁと思いました。といっても、たとえ運用のプロとはいえ、顔も知らない人に自分のお金をたくさん預けるのは、なんとなく嫌やなぁって(笑)

でも、この授業のおかげで投資信託に興味を持つようにはなりました。投資信託の比較サイトがあるのも、この時初めて知ったし、めちゃくちゃ種類があるんやなぁって。あと、ちょくちょく目にしてた「年金が破綻する」っていうニュースについて、現時点では大丈夫そうってことがわかったので、とりあえず自分の分は大丈夫か、って安心しましたね。でも、子どもが大人になる頃には教えないといけないから始めようとは思いました。

――ご自身でNISAやiDeCoを始めた後でしたから、授業を聞いて実践できたことも多かったんじゃないですか?

有野:山中先生に「NISAとかiDeCoで何を買っているんですか?」って聞かれて、「すみません、何を買ったか覚えてません」って答えたら、「それはすごい大事なことなので、ちゃんと調べてくださいね」って、これは怒られているのかもって(笑) 違う。教わって、です。 

授業が終わったあと、放置してたNISAとiDeCoの成績を調べてみたんですよ。そうしたら、iDeCoがマイナスになってて……割とへこみました。長期投資前提だから、目先の増減を気にしちゃあかん、「20年置いておくんだ!」ってのはわかるんですけど、自分の資産が減ってると思うと、どうしてもへこんでまうよなぁ。ちなみに、iDeCoはいまでもマイナスのままです(笑)


【第7回】終活を考える

――これまでとはガラッと趣を変え、「終活」について考える授業となりました。高齢化が進むいま、大半の人たちが考えなくてはいけないテーマです。

有野:印象に残ってるのは、「終活に向けて『人・モノ・お金・意向』の整理や確認が大事」という話です。自分の父親が亡くなった時は、残された家屋や土地の整理でドタバタしたし、資産についてはちゃんと整理しておかなあかんなぁ、とはなんとなく思ってました。

それ以外にも、親や自分が亡くなった時、どんな人に連絡をしてほしいとか、どこにお金を残してるのかきちんと伝えておくとか、どんなお葬式にしてほしいとか、確認しておくべきことを改めて聞くことができたので、それは残された人たちのためにも、ちゃんとやらなあかんなって思いました。

――それまで積み上げてきた親子の関係などもありますが、「終活」について、お母様に対してはなかなか切り出しづらいとおっしゃっていましたね。

有野:そうなんですよ。これまで資産の管理も含め、終活についてなんて話したことがなかったし、安易に切り出すと「なんて縁起でもない! うちはまだ死なへんよ!」て言われたらどうしよう、って思ってました。でも、この授業の後、実家行った時に母親にちゃんと話をしたら、「本(エンディングノート)をくれたら書くで」って言ってくれたんです。約束だけで、まだノート送ってないし、自分についても何もできてない。あ~、しっかりやらんとあかんなぁ。いや、それって息子が買うもんかな? ええけど。

そういえば、この回の後、グラビア写真集の整理を自分の奥さんや子どもにやらせるのは恥ずかしいって思って、とりあえずサインなしとサイン有りのものの分類だけやりました。でも、せっかくサインまで書いてもらったのに、捨ててしまうのは申し訳ないしなぁ……どないしよ、って保留中です(笑)

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