はじめに

短期のお金:別の銀行口座に預金する

普段使用している生活口座とは別の銀行口座をつくって、預け入れます。給与天引きで分けることができる「財形貯蓄制度」や「社内預金」を活用するのも一つの手です。

もしそれらの制度がない場合、給料日に自動振替や自動振込などで貯蓄口座にお金を分け、生活口座以外のキャッシュカードは、財布に入れないようにするのがポイントです。

人間の意思は脆いもの。カードは自宅保管、もしくは発行しないか破棄してしまう、という荒業にでてもいいぐらいです。とにかく、「安易にお金を引き出せない」工夫が必要でしょう。

ただし、振込で送金手数料が掛かるようでは、利息がつかないこの時代、手数料分損失になりますので、送金手数料が無料の銀行を選ぶ、同じ銀行内で別口座への振替にするなど、口座設定はコストがかからないように注意しましょう。

中期のお金:NISA・つみたてNISAの活用

5年から10年先の資金準備として、NISAや、つみたてNISAを活用しましょう。

まず制度の概要を次の表でご確認ください。

NISAとつみたてNISAは、併用して制度を活用することができません。筆者の場合、運用したいファンドや銘柄を選び、その商品が購入できる証券会社の口座開設を行いますが、投資未経験の方は、まずネット証券など、幅広い銘柄を選べる証券会社で口座を開き、つみたてNISAから始めることをオススメします。

運用手数料の低い、インデックスファンドがほとんどを占める投資信託に限られた「つみたてNISA」であれば、投資初心者の方でもリスクを押さえた投資を始められます。

もちろん、リスクを取りたい方や経験者の方は、アクティブファンドや、株式で個別銘柄に投資して構いません。限られたファンド以外の選択で投資を行いたい方は、つみたてNISAではなく、通常のNISA口座の開設をするとよいでしょう。

つみたてNISAと通常のNISAは、同じ年に併用することはできませんが、年毎に変更することはできますので、その年ごとに自分にあった口座を選択し、活用することができます。

長期のお金:iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入する

老後のための資産形成であれば、iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用することを、強くオススメします。iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称です。

制度の概要は、図でご確認ください。

なぜ「強く」オススメなのかといえば、今年や来年といった、目先の「所得税・住民税」が、大幅に減税できるからです。

2017年より対象者が拡大し、iDeCoは会社員、公務員、個人事業主、専業主婦(夫)と加入できるようになり、個人が将来の自分のために資産形成として拠出(きょしゅつ)したお金を、「全額」所得から差し引いてくれる制度です。

なお、確定拠出年金(DC)は企業型と個人型(iDeCo)に分かれています。皆さんがお勤めの企業先が、企業として制度を導入しているかいないかによって、皆さんが加入できる加入上限金額が異なります。

厚生労働省HPより

いずれにしても「上限額」が異なるだけですので、制度そのものの優位性などは、どの属性の人が加入しても同じです。(ただし所得のない専業主婦などは、所得税や住民税の軽減効果はありません。)

制度を正しく理解し、恩恵をなるべく大きく享受するための、大切なポイントまとめます。

・60歳まで原則引き出しはできない
・転職の際は、次の企業DCに移管するかもしくは、iDeCoへ移管するか、手続きを忘れないように
・長期投資であるので、「元本保証型(保険・定期預金)」を選択せず、複利効果が得られる投資信託がオススメ

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