はじめに

夫婦で1,600万円の老後資金作りができる隠し口座を活用しよう!

そこで今回お伝えしたいのが、夫婦の老後資金作りができる隠し口座についてです。隠し口座といっても脱税の口座ではありません。正しくは非課税口座です。それには「つみたてNISA」を最大限に活用します。iDeCoのように年齢制限や働き方による金額の制限、毎月の口座管理料もありません。

金融庁が長中期的な目線で増やすための資産形成に投資の必要性を唱えていますが 、「つみたてNISA」は、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。50代のプレ定年夫婦が「つみたてNISA」を利用するメリットをお話ししましょう。

非課税期間はいくつから始めても20年

「つみたてNISA」は、投資を始めた年から20年の非課税期間があります。例えば55歳で始めたとしたら75歳までの投資が可能です。

非課税枠を使い切る場合には1月から利用することがポイントです。12月から利用した場合、1ヶ月の利用で1年とカウントされるため非課税枠を使い切ることができなくなります 。

夫婦で合わせて1,600万円まで課税されない!

つみたてNISAの上限は年間40万円、非課税期間の20年で40万円×20年の合計800万円までが非課税枠となります 。1人1口座となりますので、夫婦で合計1,600万円の非課税枠を作ることができます。これらを引き出す時にも税金はかかりません。ちなみにiDeCoは「受取時に受け取り方に関わらず課税される」ことを付け加えておきます。

人生100年時代に長持ちする老後資金を作ろう

たとえば、55歳から75歳まで夫婦で合わせて年間80万円の積立をして、21年後から1年間の積立金額と利息を1年ずつ引き出すとします。55歳時の積立金80万円を仮に年2%の利回りで運用できているとしたら、76歳時には約119万円になっています。 これを20年に渡り95歳まで1年ごとに引き出していくとしたら合計2,380万円になります。

利回りによっては引き出す金額を増減したり、途中で引き出したりすることもできます。年2%の利回りは、長期・分散・積立で投資を行えば無理のない数字と考えます。

なお、55歳から20年間に渡り80万円ずつ積立する資金がない、と思っている方がいるとしたら、このような考え方をしてみたらいかがでしょうか?毎年の80万円は20年後の自分へ老後資金を増やしながら仕送りする仕組みなのです。貯蓄残高を見ながら非課税口座へ資産を移していく方法と考えてみましょう。

必要な老後資金は公的年金や貯蓄・生活費などによって人それぞれでしょうが、世帯主が60歳以上の無職世帯(2人以上の世帯)では生活費が毎月約7万円の不足という統計データがあります 。人生100年と想定し、今の平均寿命より夫婦で15年長く生きるとしたら、老後の生活費の不足は1,260万円です。 また、介護にかかる費用の平均は1人約494万円、夫婦で約988万円です。

人生100年の老後資金として約2,248万円を追加で備えるとしたら、「つみたてNISA」を活用することで賄うことが可能と筆者は考えます。ただし、デメリットの部分、元本割れや他口座との損益通算ができない、なども予め確認しておきましょう。

「現在の年金制度は持続不可能な社会保障制度…」10月10日に開かれた政府税制調査会の審議中継を視聴していると、こんな発言が耳に飛び込んできました。政府は老後の生活に備えるための自助努力に対する支援として、今後は働き方によって有利・不利が生じないようにするなど新たな中立的制度の策定を進めていくようですので、これからも目が離せません。

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