はじめに
Jリートの特徴
ここからは、Jリートの3つの特長です。なぜJリートに投資するといいのか、何が株と違うのかということを整理したいと思います。
1.手軽にできる不動産投資
実は、Jリートに皆さんが投資する方法には、おもに3つの方法がございます。
■Jリートの60銘柄のどれかに個別投資
窓口としては、証券会社に口座を持たないと買えません。株に投資したことがある方はいいのですが「銀行口座しか持っていない。株は怖いからやりたくない。だから証券会社に口座を持つのが怖い」という方は、それがハードルとなってJリートを直接買うことができないと思います。
個別に買うと1口あたり、銘柄によっていろいろあるのですが1万円台から買えるものもあり、70万円ぐらいのものもあります。自ら欲しいと思う銘柄に限定投資をすることができます。例えば、先ほど言ったビルの名前を知っていて、あのビルを持っているリートだからここに投資してみようと、そのビルのレンガの1枚ぐらいは自分のお金で買っているという、そういった楽しみもあると思います。
■JリートETF
JリートETFはJリート全体に投資をする商品で、東証に上場しています。指数に連動して価格が動く仕組みです。証券会社で買うことができます。1つ1つの銘柄がJリートの平均とは違う価格の動きをするのですが、平均が安定していれば価格が安定する買い方になります。
ただ、自分で直接Jリートに投資するわけではないので、売買手数料のほかに、信託報酬が必要になります。普通に買うよりは高くなります。ただ、あまり積極的にどれを買うか考えているわけではないので報酬は安めです。ネット証券さんですと、ETFの手数料無料キャンペーンをいることもあります。一般には個別に買うより手数料が上がってくるのがETFです。これも1万円以下の少額から投資することができるので、皆さんも入りやすいJリート投資のやり方だと思います。
■Jリート投資信託
どの銘柄に投資したら一番価格が上がるか、分配金が増えるかということを、専門家であるアセットマネジメント会社が考えて投資をします。それに皆さんが投資をするという信託型の商品です。これは、証券会社だけではなく、銀行や信託銀行でも売っていますので、Jリート投信は一番ハードルが低く証券会社に口座を持っていない皆さんにも買えると思います。
ただ、購入時手数料と信託報酬にいくらか支払わなくてはいけません。ざっくり今Jリートの平均では利回りが4%ぐらいですので、年間100万円で4万円ぐらいもらえる計算になります。信託報酬が大体1%ぐらいなので、100万円で年間1万円の信託報酬が取られるので、3万円が自分の手元に戻ってくるような配当利回りの計算になるというイメージです。
このようにJリートに投資する方法には3つのやり方があります。ただ、Jリート投資信託の多くが毎月分配型ということで去年も新聞でいろいろ騒がれており、これで手放す人が増えてしまいました。その影響によって銘柄によってはかなり下がっているものもありますので、その辺は注意しながら証券会社や銀行の方と話をしていただき、何が良さそうかを判断して買っていただければと思います。Jリートでどの銘柄がいいか分からないとき、最初はJリートETFやJリート投資信託から入るのがいいと思います。
Jリートへの投資は、資産運用会社という専門の会社が何から何まで全部やってくれますので、まさに株に投資するのと同じように配当を待っていればいいだけです。個人の投資家は、投資口を買って配当を待つような投資の仕方になりますので、逆にそれだけ煩わしいこともなく、不動産に投資できるというメリットのある投資商品です。また、資産運用会社というのは、Jリートにセットになっている従業員のいる会社のことでして、こちらにも株主がいろいろいます。その知識や経験、株主が開発した物件を供給してもらえるというメリットもあります。
Jリートの情報開示は世界一
不動産情報について、世界一と言われるJリートの情報開示ということですが、皆さんが株式会社に株を投資するとき、その株式会社が1から10まで何をやっているかご存じではないですよね。これに対してJリートは、それぞれの会社がホームページを持っていて、そこにどの物件に投資しているのか全物件の写真と場所、築年数などの細かいデータも出しています。また、それぞれのテナントが何%の稼働率で稼働しているか、どのぐらいの賃料を取れているかなど、そういった物件1つ1つの情報が詳しく開示されています。会社がやっている内容が手に取るように分かるということが、手軽にできる不動産投資のメリットです。
株式会社の場合、例えば製薬会社であれば、こういった病気がはやっているので、こういった薬が売れそうだというニュースや報道でこの株が上がるという判断はできますが、その会社が何をやっているか全てについては分からないですよね。Jリートの場合は全てを知ることができます。これを分析するとかなりのことが分かると思うので、それにはかなりの時間は要りますが、分析を楽しみにして投資判断している方もいます。また商業施設であれば、その物件まで実際に行ってみて、お客さんが入っているか、というのを見ることもできます。その辺は素人判断でもある程度は分かる話で、不動産なので、目で見てあからさまになっているところが、株より非常に分かりやすい商品であることが言えると思います。