はじめに
2019年11月17日(日)、「お金が貯まる。増やせる」が学べる年に1度のイベント「お金のEXPO2019」がグランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで開催されました。マネーリテラシーを身に着けたい方向け、著名FPのわかりやすくためになる講演や、マーケットの見通しから資産形成のノウハウ、不動産投資、アジアマーケットへの投資など盛りだくさんの内容となった同イベント。
その中から、J.P.Returns 室田 雄飛氏による「効率的な不動産投資の必勝術とは」の講演内容をお届けします。
不動産投資の損益分岐点
皆さんもよくご存じのとおりマイナス金利の時代です。今は資金を調達する側、お金を借りる側の方にとっては、金利は極限まで下がっているというような状態になっています。その低金利をうまく生かした「効率的な不動産投資をしていただく必勝術とは」と題しまして、お話をさせていただきます。
不動産投資は、比較的投資の商品の中でも、長期にわたる運用になります。物件を買っていただいて、今日、明日の間に大きな利益が出るということは基本的にありません。毎日コツコツお家賃収入というのを積み上げていただいて、長い期間の中で大きな利益に変えていただきます。
投資ですから勝敗があるわけです。勝つのか、負けるのか。それを分けるのが損益分岐点です。これをはっきりさせるには、物件をその時点で売却していただいて、利益が残ったのか、損が出てしまったのか。不動産投資はこの売却によって、損益分岐点というところがはっきりしてきます。
私は自分でも不動産運用をしています。ただ、家賃が入ってきて、そのお金だけで生活ができているとか、そういったことではありません。基本的には、買った不動産の分だけローンを組んで運用しています。入ってきた家賃収入で支払いをしていますから、手元に入ってきている家賃というのはほとんど残りません。こういったセミナーでお話をさせていただいたりして、きちんとお給料を稼いで、そのサラリーで私も生活をしています。
ワンルーム投資のススメ
では、不動産を持っている方と、不動産を持っていない方、どんな違いが生まれてくるのかというところがあります。まず、不動産投資を始めていただく際の、物件を選ぶポイントになるんですけども、自分が住みたいような物件を買ったらいいんじゃないかなと思っていらっしゃる方がいらっしゃいます。
これ実は、半分あっていて、半分間違っています。例えば、皆さんがモデルルームを見に行っていただくと、どのマンションも今はデザインが入っていて、非常にきれいです。中には、床暖房がついていたり、ミストサウナがついていたり、食器洗浄機がついていたり、流しのシンクのところにもディスポーザーがついていたりと。これは住まわれる方にとっては便利です。
ただ、オーナーさんの立場から考えてみてください。例えばディスポーザーが壊れても、食器洗浄機が壊れても、床暖房が壊れても、全部オーナーさんに請求が来ることになります。あまりにも設備が充実していると、設備の修繕費用なんかがたくさんかかってしまうことになります。
ただ一方で、ワンルームマンションというのは、そういった設備はほとんどついていません。非常に簡素な設備だけでできていて、収益を上げるということに特化している形状になっています。オーナーさんからしてみれば、ランニングコスト、設備コストというのは、なるべく安く抑えたいところですから、ワンルームマンションは非常に効率がいいということです。
つまり、皆さんがいいんじゃないかなと思われるような想像と、実際に収益を上げるために特化した建物は、形状が違ったりするということです。
また、不動産を選ばれる際、皆さんが出される条件というのは、ほぼ一緒です。ただ、2点だけ、選ばれるポイントとしてずれが出てくる部分があります。1点目は、中古なのか、新築なのか。ここはかなり意見が分かれます。さらに、利回りが高いほうがいいのか、資産性を重視するのか。この2点で意見がそれぞれ分かれてきます。
私たちはどちらかというと、資産性を重視した安全性の高い不動産が、最終的には皆さんに大きな恩恵をもたらすというふうに考えております。
まず、不動産投資における利回りの考え方についてですが、とにかく投資の商品というのは、利回りが高ければ高いほど収益性が高いわけですから、いいというふうに見られがちです。ただし、ここに落とし穴が潜んでいるというのも事実です。あまり目先の利回りばかりにとらわれてしまうと、結果的に大きな失敗を招いてしまう可能性があります。