はじめに

信託報酬の安い商品に変更した場合はどうする?

インデックス型やバランス型の商品では、信託報酬が引き下げられたり、より安い商品が出てきたりすることがあります。こうした商品に乗り換えた方もいるでしょう。

このとき、積立をやめたファンドでもし利益が出ているなら、売却を検討してもいいでしょう。売却したお金で新たなファンドに投資することで、複利効果を得ることもできます。

しかし、もし利益が出ていないなら、すぐに積立をやめるのではなく、積立金額を減らして続けるのがおすすめ。そうすることで、上で紹介したドルコスト平均法の効果を得られるため、平均購入単価を下げて、プラスに転じさせる可能性が高まります。

こと投資信託に関しては、積み立ててきた資産を値下がりしたからといって売却するのは大きな間違い。売却すると、その後値上がりしても、お金が減ったままになってしまいます。
下がり続ける相場はありません。たとえいま値下がりしていても、少額でも続けておいて、利益が出た時点で売却しましょう。直近ではコロナショックの相場が良い例です。

つみたてNISAで買っている場合はどうする?

つみたてNISAでは、投資した年から20年にわたって、年間40万円までの投資で得られた利益を非課税にできます。投資の利益にかかる税金は本来20.315%。これが非課税にできるとあって、人気です。

しかし、つみたてNISAで非課税投資できる金額(非課税投資枠)は、商品を売っても回復しません。なぜなら、「新規の投資金額」に非課税投資枠が設定されているからです。早期に売ってしまうと、その分非課税で投資できる期間が短くなってしまいます。例えば、2018年に投資した40万円分の資産を3年後に売却した場合、本来使えるはずの残り17年間の非課税期間が使えなくなるので、もったいないということです。

つみたてNISAは、制度上の弱点でもあるのですが、商品を売って新しい商品を買う「スイッチング」に向いていません。

ですから、つみたてNISAで積立する商品を変更した場合は、積み立てしなくなった商品は売らずに持ち続けるか、利益が出ていない場合と同様、積立金額を減らして続けるのがおすすめです。

また、変更する前と後で、同じ指標のインデックス型に投資している場合であれば、変更前の商品は売らずに2つの商品を合わせて、投資金額やリターンを把握するようにしましょう。

なお信託報酬は、ファンドの純資産総額が増えることで引き下げられる場合もあります。

たとえば「eMAXIS Slim」シリーズや「ひふみプラス」などは、目論見書であらかじめファンドの純資産総額に応じた信託報酬率が記載されています。人気の商品の場合、今後も純資産総額が増えることによって、コストダウンも期待できます。

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