はじめに
掛金額はどう設定する?
前述したように、「iDeCo」は60歳より前に引き出すことが出来ないため、確実に60歳以降のための老後資金準備として積み立てる前提での掛金額の設定が必要となります。ご相談者の場合は、まだお子さまも小さく、これから教育費など60歳より前に必要な資金準備もあるので、しっかりと教育費やその他のお金の掛かるライフイベントについて、「いつ」「いくら」必要なのかを整理しましょう。その上で、「iDeCo」の掛金額設定を考えます。
ご相談者は夫婦ともに確定拠出年金を活用されているような記載があります。退職金が不明とありますので、もしかするとお勤め先で確定拠出年金制度があり活用されているのかもしれません。お勤めの会社で企業型確定拠出年金や他の退職金制度がある場合、「iDeCo」に関しては、活用の可否や掛け金に制限があります。お勤め先に確認してみてください。
ご相談者の場合、まずはお子さま2人の教育費と住宅ローン返済、お車の買い替え費用は必ず必要なものになりますので、現在手元にある貯蓄とこれから貯めていく貯蓄で準備出来るように確保しましょう。
そのために、ある程度お子さまの教育方針(公立or私立など)やお車の買い替えのタイミングや金額についても今のうちから考えておくと良いでしょう。
60歳より手前で、今よりも大体10年以上先の中長期的な資産形成については、一部「つみたてNISA」を活用しての運用を取り入れるのも効果的です。その上で、さらに貯められる余力がある場合は、一部「iDeCo」を活用しての老後資金準備を考えましょう。
どうポートフォリオ(資産配分)を組んで運用するかが重要
「iDeCo」や「つみたてNISA」を活用するにしても、どう運用するかが重要となります。
「iDeCo」や「つみたてNISA」では、投資信託等で運用をしていきます。国内外の株式や債券など、自身で運用する銘柄を選択する必要があります。それらの配分によって抱えるリスクや、期待できる収益率も異なってきますので、実は「iDeCo」や「つみたてNISA」を活用することが重要なのではなく、どうポートフォリオ(資産配分)を組んで運用していくかが重要となります。
ポートフォリオを組むためには、これらの運用で年平均何%程度の収益を目指すのか、目標を立てる必要があります。iDeCoの場合は、老後準備なので、退職金や公的年金で受け取る金額などを試算し、老後必要な資金をシミュレーションした上で、運用方針を決めていきましょう。
ご質問に、「夫と妻の確定拠出年金、持ち株は投資になるのでしょうか?」とあります。確定拠出年金は上記の通り、何で運用するかによって投資にもなりますし、定期預金のような元本保証型の商品もあります。持ち株については、価格変動があるので投資ではありますが、どちらかというとお勤め先の会社を応援する気持ち程度での積み立てで良いと思います。