はじめに
頭金の払い過ぎに注意
また、物件を購入する際には、頭金の払い過ぎにも気をつけないといけません。預貯金が手元になくなると、急な支出や減収などが起きた際、生活が成り立たなくなる危険性もあるからです。生活費の半年から1年分の預貯金は確保しておきましょう。このままの貯蓄ペースを維持できれば、8年後に1,360万円貯まるとのことですが、できれば、生活費の1年分に加えてプラスアルファの金額は手元に残したいもの。
他にも家の購入には、物件の代金以外にも諸費用がかかります。たとえば、司法書士や銀行に支払う手数料、書類の印紙税、不動産登記に必要な登録免許税など。その総額は、新築物件だと物件価格の4〜5%、中古物件だと物件価格の7〜8%にも上ります。最近は諸費用込みでローンを組める銀行も増えていますが、金利による支出も大きくなってしまうので、諸費用は頭金と一緒にあらかじめ用意しておくのが理想的です。
65歳までに完済するとして、月の支払いは?
ローンの返済は、一般的な定年退職と言われる65歳までには終わらせたいですね。となると、8年後に家を購入するとしてご主人は、43歳ですので、ローンの期間は22年となります。
仮に住宅ローンの借入金の理想の目安である年収(ご主人の年収650万円)の5倍の3,250万円を金利1%で22年間借りたとすると、毎月の返済金額は、約13万7,000円。ローンの返済額は世帯の手取り金額(夫婦合わせた手取り金額)の34%となります。
ちなみに、2,500万円を金利1%で22年間借りたとすると、ローンの返済額は約10万5,000円となり、世帯の手取り金額の26%となります。現在は、実質2万8,000円が住居費用ですから、住宅費用で約7万円の負担増になるわけです。
ボーナス払いの併用については、個人的にはお勧めしません。というのも、コロナ禍で業績不振となり、ボーナスが大幅に減額になったり、ボーナス自体がなくなったりして、支払いに苦労されている方が少なくないからです。先行き不透明な時代には、毎月の収入で支払えるかどうかを基準に考えることをお勧めします。
今後のライフプランや貯蓄状況などを見ると、物件価格は3,000〜3,500万円に抑えると良いと思いますが、上記の試算を参考に物件価格や頭金の金額などを考えてみてください。