はじめに

受け取り方をシミュレーションしてみる

個人年金保険の場合には、税金と受取金額に分けてシミュレーションしてみましょう。原則的には、年金でもらった場合の方が受け取り総額は多くなります。

<モデルケース>
月々1万円、35年間保険料を納め65歳から10年間確定年金としてもらう場合

払込保険料総額 420万円
一時金受取り 542万8,304円
確定年金   基本年金額57万200円 受取総額570万2,000円

一時金受取の場合は、受取った金額から支払った保険料を差し引いて、特別控除を差し引いた一時所得に課税される金額は、36万4,152円になります。所得税率が10%なら所得税は3万6415円です。手元に残る金額は539万1889円になります。

一方、年金で受け取った場合には、年金額57万200円、必要経費は41万9,999円になり、雑所得の金額は15万201円です。所得税率が10%なら所得税は1万5,020円です。

受取総額から10年間の所得税を差し引くと、手元に残る金額は555万1,800円です。年金でもらう場合には、一時金でもらう場合とくらべると15万9,911円多くなります。

たとえば、一時金でもらうときに、特別控除があるため税金がかからないという場合であっても、手元に残る総額を一時金と年金に分けてくらべてみましょう。また予定利率が高いときに加入した保険の場合、思った以上に税金がかかるということもあります。


人生100年時代を背景に、2021年4月から70歳までの雇用の確保が努力義務化されました。定年が廃止された企業も見受けられ、働き続けるという選択肢も広がりました。どのような老後を過ごすのか、いつまで働くのかを選べる時代になってくれば、人によってベストな年金の受け取り方が異なってきます。一般的にお得といわれるものが当てはまらないケースもあるので、年金を受け取る前にシミュレーションをしておくとよいでしょう。

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