はじめに
定年後こそ確定申告で手取りを増やす
所得税の確定申告と聞くと若い年代でも面倒に感じるものですが、高齢になればなおさらのことでしょう。そこで「年金所得者の確定申告不要制度」があり、年金生活者の負担を軽減する仕組みが取られています。公的年金などの収入が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下などの条件を満たすと申告をしないですむことになっています。
しかし、高齢になれば若いときとは異なり、病気やケガで医療費がかさみ、入院ということも増えてきます。医療費控除ができるケースもあるでしょう。また、生命保険料控除や地震保険料控除、家族の国民年金保険料を支払っている場合など、確定申告をすることによって税金の還付があります。
さらに、退職金をもらう場合で「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合には、確定申告する必要はありません。しかし、1年の途中で退職して就職しなかった場合は、本来払う額よりも所得税額を多く納めていることもあるので、確定申告をすることで税金を安くすることができます。課税所得を減らすことができれば、住民税を減らすことができ、ひいては健康保険料や介護保険料にも波及します。
もし、申告期限が過ぎていても、還付申告は5年間することができます。税金の負担が変わってくるので、定年後こそもっと確定申告に関心を持っておきたいですね。