はじめに
私立医学部の場合は、大学だけで3000万円超えに
まずお子様の教育費がどのくらいかかるのか、大まかな金額を確認しておきましょう。一般的に幼稚園から大学まで、公立か、私立かで教育費は大きく変わり、【表1】のようになります。これはあくまで平均値ですから、実際に通われる学校によって異なりますが、子ども一人あたり、すべて公立だと約784万円、すべて私立だと約2,430万円となります。
ご相談者さまは、大学では私立医学部等も含めて選択肢を考えたいということですので、医歯薬の各学部の場合も含めてもう少し詳細を確認する【表2】のようになります。私立医学部の場合、大学だけで約3,559万円となり、かなりの教育費がかかることになります。
教育費の概算金額を確認したところで、まずは現在の資産状況および今後のライフプランを前提に、今後のお金を「見える化」するところから始めたいと思います。
今後30年間の収支や資産残高を「見える化」しましょう!
最初に次のような前提で今後のお金を「見える化」してみたいと思います。
◆ご相談者さま、配偶者さまともに現在のお仕事を継続され、今後の収入は現在と同じ
◆基本的な支出についても現在と同じ水準を継続
◆お子様は来年に二人目が生まれ、教育費は二人とも高校まで公立、大学は私立医学部と想定
◆貯金500万円、投資600万円から、毎月の12万円とボーナスからの50万円は貯蓄に、それ以外の黒字分はすべて投資にまわし、利回り4%で運用できると仮定
このような前提で今後30年間の収支を計算する【表3】のようになります。
このグラフでは、上向きの棒グラフが収入、下向きが支出、そして赤の折れ線グラフが収支(=収入―支出)となっています。
現在は年間400万円以上の黒字になっているため、二人目が生まれた後も、高校まで公立ということであれば、家計としては黒字が継続します。しかし、私立医学部に入学されるタイミングでは300万円を超える赤字となり、二人目のお子様も大学に入学されるタイミングでは800万円以上の赤字になる見込みです。なお、医学部受験に際しては、学習塾などの費用が追加的に発生する可能性もあるかと思いますので、その点にはご留意ください。