はじめに

上がるのか、下がるのか、知りたいと思いませんか

1 怖いのは下落、避けられないのも下落

客観的に見れば、投資家心理とは、とてもわかりやすく、また興味深いものです。投資において一番の恐怖は、価格の下落です。

しかし、下記のグラフからわかるように、景気後退局面では、株式、商品をはじめとするほぼ全ての市場が下落しています。景気が後退したら、価格の下落は避けられません。

■リスク性資産市場の価格推移

とはいえ、「景気とは循環する」もので、良い時もあれば悪い時もあると誰しもわかっています。しかし、いざ投資を始めると、買った直後に相場が下がった(高値つかみ)、売った(損切り)直後に相場が上がったという苦い経験があるはずです。損切りせずにじっと待てばいつか相場は戻るとわかっているのに、いつ戻るかはっきりしない不安と含み損が増え続ける心理的プレッシャーに勝てない結果です。

心がけるべきは、いかに損を少なくするか、です。

2 景気のセンチメントを知る

それなら、景気の後退を予測し、できる限り高値つかみを避け、買い場・売り場を探りたいと思いませんか。もし損をしても最小限で済みます。そのためには、まず、今が景気のサイクルのどこに位置するのかを把握することです。今がわかれば、次が予測できます。

景気の「気」は気持ちの「気」です。要は、センチメント(市場心理)が景気に表れます。

例えば、本屋の経済コーナーで新刊本のタイトルを見てみてください。「デフレ」「崩壊」等、経済にとってマイナスとなる言葉が目立つなら、景気は悪いはずです。「FX」「割安(大化け)株」等、投資のノウハウ本が並び、投資意欲の高まりを感じるなら、景気が回復し始めていると思われます。だんだんと、「日経平均4万円」等、景気を楽観視する言葉が溢れ始めたら景気はピークです。そして「撤退」等で景気減速を感じ、いずれ「デフレ」「崩壊」等のタイトルに戻ります。本のタイトルから景気を感じることができるのです。

金利は、より正確にセンチメントを表します。金利動向から今の景気を把握すれば、きっと投資での大きな失敗を回避できるはずです。

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