はじめに
iDeCoはNISAとの併用が可能!
酒井: NISAと同じように、iDeCoも株や投資信託への投資が対象なんですか?
山中:iDeCoの投資対象は、(1)定期預金や保険など「元本確保型」の商品と、(2)投資信託の2つになります。第1回でお話したように、現在は定期預金の金利が低いので、利益が非課税になってもメリットは小さいので、やはり投資信託を選ぶべきでしょう。
酒井:へぇ〜、保険にも投資できるんですね。
有野:保険といえば、保険会社でも年金のような商品がありませんでしたっけ?
山中:おっしゃるように、保険会社には「個人年金保険」という商品があります。ただ、個人年金保険だと利益には税金がかかりますし、個人年金保険はiDeCoより控除の枠も小さいので、やるならiDeCoのほうが断然お得ですね。
有野:なるほど、お得だということはわかりました!
酒井:本当にわかってますか?(笑)
有野:学級委員長をバカにすんなよ。個人年金保険だと利益には税金がかかるし、控除の枠も小さいねん。もし、芸人年金保険があったら、今月ウケた分です、って爆笑取ったボケを貯めても税金で少し減らされて、増えても控除の枠も小さいから、結局はあんまりウケてなかった事にされてしまうって事やろ。
酒井:先生の説明の部分以外は空想すぎて分からないです……なんですか、爆笑取ったボケを貯めるって。先生、話を戻しますと、ひとつ疑問があるんですけど、毎月積み立てていくんだったら、iDeCoとつみたてNISAの違いってあるんですか?
山中:将来の資産形成に向けた制度であるのは同じですが、最大の違いはiDeCoは「将来の年金作り」だけを目的としている点。つみたてNISAで運用している株や投資信託はいつでも売却できますが、iDeCoの場合、原則60歳になるまで引き出せません。
有野:え~っ、積み立てしっぱなしで途中で引き出せないんや。それだと、みなみかわの子どもにお年玉やら、入学祝いやらあげたい時とか、急な出費の時に困るなぁ。みなみかわは困るけど、僕は助かるなぁ。
酒井:なんでニヤニヤしてるんですか!? でも先生、原則60歳になるまで引き出せないって、ちょっとイジワルな制度だと思います。
山中:別にイジワルでしているわけではないんですよ(笑) 途中解約できるケースもあるにはありますが、条件が厳しいので、基本的には引き出せないと考えたほうがいいでしょう。ただ、iDeCoは年金、つまり老後の資金を作るための制度ですから、その前に資金を減らしてしまうのは本来の目的とは異なってしまいますし、60歳になるまで受け取れないかわりに、受け取る時にも税制優遇があるんです。
酒井:そうなんですね。う~ん、NISAとiDeCo、どっちを選べばいいのか迷うなぁ……。
有野:酒井ちゃんは個人事業主なんやから、トリプルでお得なiDeCo一択やろ! 迷うことありません、ですよね先生。
山中:安心してください。現状では一般NISAとつみたてNISAの併用はできないとお話しましたが、NISAとiDeCoは併用することが可能なんです。ただ、iDeCoは途中解約ができませんので、iDeCoに加入するなら途中解約の必要がない余裕資金で臨むようにしましょう。