はじめに

■投資信託選びの気になる疑問を解決

実際に投資信託を選ぶと、他にも気になる疑問が出てくることでしょう。ここでは、どんな投資信託を選ぶか(あるいは、選んではいけないか)の参考になる「気になる疑問」について解説します。

●バランス型の「4資産」と「8資産」どちらを選ぶのがよい?
バランス型の投資信託には、国内外の株式と債券に25%ずつ均等に投資する「4資産均等型」や、国内・先進国・新興国の株式と債券、国内・国外の不動産(リート)の合計8つの資産に投資する「8資産均等型」などがあります。

一見、4資産よりも8資産のほうが分散されているので低リスクだと思われがちですが、リスクが低いのは債券の比率が高く、新興国を含まず、海外資産の比率が低い4資産のほうです。

4資産と8資産のどちらを選ぶかは、自分がとれるリスク許容度によって変わってきます。

・リスク許容度のイメージ
著書「はじめてのNISA&iDeCo」(成美堂出版)より

リスク許容度は、「自分が損にどのくらい耐えられるか」の度合いです。リスク許容度は、収入・資産・年齢・投資経験などによって変わります。また、いくら一般的に「リスク許容度が高い」と思われる人でも、リスクに対して慎重な考え方をしている人は、リスク許容度が低いといえます。

リスク許容度は、高ければいいというものではなく、自分がどうなのかを知ることが大切です。リスク許容度が低いのであれば4資産、そこそこのリスク許容度が取れるのであれば8資産を選ぶようにします。さらに積極的にリスクが取れるのであれば前述の全世界株・米国株に投資する投資信託を選ぶようにするといいでしょう。

●ターゲットイヤー型は選んでもいい?
ターゲットイヤー型は、「若いうちは株式中心」「年を追うごとに債券にシフト」という具合に、ライフサイクルによって資産配分が変わる投資信託です。

一見便利そうですが、ターゲットイヤー型は取れるリスクを年齢だけで判断してしまいます。必ずしもその人にあった投資になるとは限りません。それに、信託報酬が0.8%~1.2%程度と比較的高く設定されているのも問題です。これならば、バランス型を選んだ方がいいでしょう。

●リスクコントロール型は選んでもいい?
リスクコントロール型は、市場の変動に合わせて、機動的に資産配分を変更する投資信託です。普段は株と債券にバランスよく投資し、株価が下落基調になったときには債券を多めにする…といった具合に運用を行います。

こちらも値下がりのリスクが回避できる可能性があるのはいいのですが、値上がりしているときにはインデックス型・バランス型ほどの値上がりは見込めないのが現実。また、値下がりによる損失も必ず回避できるとは限りません。リスクコントロール型として知られる「投資のソムリエ」も、2022年11月30日時点の年率リターン(設定来)は年率1.4%ですが、信託報酬は年1.54%ですから、実質マイナスになっている状況です。

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